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日本工業経済新聞社(群馬)
2013/05/23

【群馬】県・設計者・施工者の3者技術協議会が開催

 発注者、設計者、施工者が日ごろ抱える課題の解決、若手の技術力向上に向けた3者技術協議会の初会合が22日、前橋市内の群馬建設会館で開かれた。
 3者技術協議会は発注者、設計者、施工者の3者が担当業務の範囲を超越して発生している諸問題を共有・改善し、実践的な技術力向上を図るもので、2013年度から15年度までの3カ年の開催となる。
 協議会の委員には県県土整備部の中堅・若手職員、設計者側から群馬県測量設計業協会と建設コンサルタンツ協会群馬地域委員会の役員および中堅・若手技術者、施工者側から群馬県建設業協会の役員および中堅・若手技術者が名を連ね、年に3回(第1四半期、第3四半期、第4四半期)開かれる予定。第1回は、3者が抱える課題を協議するとともに改善案を作成・試行し、第2回でその改善案の検証と見直しを行い、第3回では1年間の結果を評価し、3者それぞれの組織へフィードバックさせる。
 開会に続き、同協議会の倉嶋敬明会長(県建設企画課長)が「発注者には業務の限界、設計者には設計の限界、施工者には現場対応の限界がそれぞれ存在する。ただ、3者が自分の範囲内だけを考えていたら現状と何ら変わりがない。それぞれが自分の範囲外の限界を知ることが新たな取り組みにつながる。一方、技術力については、現代・現在に合った技術力の向上が求められていると思っている。本日の協議会が発注、設計、施工と一連の調達が円滑に進むこと、今以上の技術力向上に資することを期待したい」とあいさつした。
 その後、3グループに分かれ◇図面と現場の不一致◇技術者の育成◇業務改善−の3テーマを協議。このうち、図面と現場の不一致の改善に向けては協議前のたたき台として、事務局から工事の受注から初期の段階で3者が協議・意見交換する場(1回目を起工測量前、2回目を起工測量後、3回目を仮設工から土工までの間)の設置が提案。それに対し、各グループが意見を出し合った。
 技術者の育成に対しては、事務局から3者合同の勉強会の設置がたたき台として提案。この勉強会は過去に生じた課題や問題に関する事例を集めて改善方法などを話し合うもの。これに対しても3グループからさまざまな意見が出された。
 協議会に対し、群馬県建設業協会の山藤浩一土木舗装委員長は「施工者としても大変喜ばしく、3者それぞれの立場、業務範囲を超えた中で、抱える課題が解決できれば」と期待。群馬県測量設計業協会の冨永伸樹会長は「第一歩となる良い機会だった。施工する方々からの実際の声がわれわれの技術力アップにつながる」と協議会の意義を強調した。