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建通新聞社四国
2013/05/21

【愛媛】四国地整、愛媛直轄に355億円

 国土交通省四国地方整備局は16日、国の2013年度予算の成立に伴う管内関係予算の概要を明らかにした。東南海・南海地震や台風などの自然災害に対する安全・安心の確保に加え、四国地方全体の連携による自立的に発展する地域づくりに向けて、四国管内の公共事業等予算に直轄1277億円、補助・交付金1595億円の計2872億円が配分された。
 直轄の県別内訳は、徳島県364億円、香川県82億円、愛媛県355億円、高知県460億円。新規に直轄河川で柳瀬ダム堰堤改良(愛媛県)に取り組むほか、補助事業で愛媛県が国道197号夜昼道路、高知県が国道493号北川道路2−2工区(高知県)の調査設計にそれぞれ新規着手する。
 愛媛県関係では 河川事業で大規模地震の備えや頻発する洪水・土砂災害などに対する安全安心の確保から、直轄で新規に吉野川水系銅山川柳瀬ダム堰堤改良事業(四国中央市)に着手する。
 銅山川の洪水調整や四国中央市への上水道、工業用水道供給の役割を果たしてきた同ダム貯水池右岸側の宮前地区で、地すべりの動きが増大。放置すると貯水池閉塞により治水・利水機能が阻害されるため、法面工や排土工などを行う。
 13年度は土捨て場整備の仮設工や貴重種など現地の環境調査などを実施する予定。ダム周辺道路の拡幅調査も検討する。同調査を通じて総事業費や事業年度の詳細を検討する。また、13年1月のダム検証を踏まえ、肱川山鳥坂ダム建設事業(大洲市肱川町)を再開。13年度に用地補償などを推進する。
 このほか肱川鹿野川ダム改造で13年度にトンネル吐き工事を継続する。事業費は69億2100万円を見込む。
 道路事業の補助事業で愛媛県が新規着手する国道197号夜昼道路(大洲市平野〜八幡浜市郷)は、南海トラフ地震や伊方原子力発電所の不測事態に備えた緊急輸送道路を確保するもの。現道をバイパスする形で整備する。事業延長は4・2`。2車線。総事業費は84億円。事業期間は着手後おおむね10年間。現道に老朽化の進む延長2・1`の夜昼トンネルがあり、中央自動車道笹子トンネルと同じ天井板形式。このため同整備の中で新トンネルを建設する。
 11年度まで減り続けた同局の公共事業予算は、東日本大震災以降12年度予算(2430億円)が前年比11・7%増、13年度予算(2872億円)が同18・1%増と2年連続で増加。直轄も12年度が前年に比べ12%増、13年度に同8・1%増と、東南海・南海地震などへの備えや、台風など自然災害への対応をキーワードに予算を大きく伸ばした。
 道路事業では四国の8の字ネットワーク整備で未整備区間のうち、津波被害対策など東南海・南海地震などに備え四国横断自動車道佐賀〜四万十(高知県)、阿南安芸自動車道牟岐〜野根(徳島県・高知県)、阿南安芸自動車道野根〜安倉(高知県)間の概略ルート・構造検討に係る調査などにも着手する。