静岡県は、局地的な箇所で時間100_を超えるような集中豪雨が発生した場合に、中小河川・小流域の浸水被害や土砂災害を防止するため、2013〜14年度の2カ年にわたって「局地豪雨緊急対策事業」を行う。事業は、河川海岸整備課が所管する河川整備と砂防課が所管する土砂災害対策施設整備に分かれ、河川整備は2カ年で総事業費40億円(13年度事業費20億円)、土砂災害対策施設整備は総事業費10億円(13年度事業費5億円)を投じる計画。
河川整備事業では、@局所的に流下能力が低下し、災害の危険性が高い箇所の河道拡幅A流下能力低下の原因となる橋脚などのネック構造物改修−を実施する。整備対象は青野川(南伊豆町岩殿)など23河川。
土砂災害対策施設整備では、@がけ崩れ災害の危険性が高い斜面の擁壁工などを行う急傾斜地崩壊対策事業A局所的に流下能力が低下し災害の危険性が高い箇所の断面拡大などを行う砂防事業B災害履歴があり、早急な対策が必要である山地の山腹工など斜面対策を行う砂防事業−を進める。整備対象は唐井栗(急傾斜・浜松市天竜区小川)など29カ所。
近年、時間雨量100_を超えるような局地豪雨が頻発化し、全国的に中小河川・小流域の浸水被害が増加する中、静岡県内でも12年8月の豪雨で袋井市など西部地域で浸水被害が発生した。河川改修では、浸水被害が頻発する地域で「豪雨災害対策アクションプラン」を策定するとともに、11年度から2カ年で緊急総合治水対策事業を実施した。
しかし、局所的に流下断面が不足している箇所や、橋脚などの構造物により流れを阻害している箇所がまだ数多く残されている。このため、過去10年間に床上浸水被害が複数回発生、浸水被害により孤立集落が発生する危険度が高い河川の中から23河川を選んだ。
また、土砂災害対策は山・崖崩れの危険度がランクA、地区内に避難場所がない地区などの条件で29カ所を選んだ。このうち、急傾斜地崩壊対策事業が15カ所、砂防事業が4カ所、治山事業が10カ所となっている。
(2013/5/20)
建通新聞社 静岡支社