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　神奈川県県土整備局は、南足柄市と箱根町を連絡する道路（県道７３１号・矢倉沢仙石原）の建設計画について、２０１３年度に、国立公園や自然環境保全地域内を通過する「ルートＣ案」の調査・設計を実施する予定だ。
　南足柄市と箱根町は、箱根外輪山を境として接しているが、両市町を連絡する道路の整備が不十分。周辺地域の回遊性を高め、観光振興など地域活性化を図るとともに、災害に強い地域づくりを行うため、新たな連絡道路を計画している。
　県と南足柄市、箱根町、その他関係市町による「南足柄市と箱根町を連絡する道路に関する研究会」で検討を進めてきた。。五つのルート・構造（案）を設定し、地下水や動植物に与える影響、広域的な観点からの効果に関する検討などを行った結果、現在の国道７３１号の西側で、国立公園や自然環境保全地域内を通過する「ルートＣ案」が適当と判断。「経済性」に優れ、渋滞緩和や災害時の緊急輸送に寄与するなど「整備効果」が見込まれ、「既存ストックの有効活用や早期利活用の可能性が高い」と評価する。12年度に、事業の成立性などを検討し、実施可能と判断。13年度から県の道路事業として予算化した。
　しかし、ルートＣの基となる現道は、国立公園や自然環境保全地域内を通過する現況の幅員が５ｍ程度の林道。これを一般道に整備することは、地形の改変による自然環境などへの影響が大きいと考えられる。地形の改変による、自然環境や防災上の影響を少なくするためは、今後、極力現況を生かした道路構造とするなど「環境負荷軽減策」の検討が必要となる。
　事業箇所は、南足柄市矢倉沢〜箱根町仙石原。事業延長は約１０・９�`と見込む。現在は、林業従事者のみが利用する林道。これを一般車両が通過できる一般道に再整備する。
　本年度の調査・設計では、まず現在の林道を調査し、現況を把握。法面や道路の状況などから、�@どの程度の掘削が必要か�A橋梁の補強は必要か�B地区内に１カ所あるトンネルではどのような設備が必要か�C用地買収が必要な箇所はあるか−などを割り出し、概算事業費などを算定。全体の基本設計を策定するとともに、早期着工が可能な区間については、実施設計に近い図面も作成する。
　通行は、大型車の制限も検討。できる限り現在の林道を活用し、車がすれ違うための避難場所の設置なども検討する。
　事業期間は、13年度から６年程度をめどとしている。