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日本工業経済新聞社(茨城)
2013/05/09

【茨城】 県農林振興公社 13年度事業計画

 県農林振興公社(中村直紀理事長)はこのほど、2013年度事業計画を明らかにした。本年度は、震災被害やTPP(環太平洋連携協定)の動向などの影響も踏まえ県や国の動きに対応するとともに「農林振興公社運営の基本方向2011」に基づき、環境と調和した生産基盤の整備や県有林の管理などを進める。5年目の最終年度を迎える茨城中西部地区の畜産担い手育成総合整備事業には2億7308万3000円を予算計上し、家畜保護施設3棟、家畜排せつ物処理施設2棟、飼料調製貯蔵施設2棟などの整備を進める。

 茨城中西部地区の畜産担い手育成総合整備事業は、09年度から5カ年で、小美玉市ほか5市1町の草地、飼料畑の造成整備、畜舎等整備、農機具などの導入を行う。
 本年度は家畜保護施設3棟に1億1300万円、家畜排せつ物処理施設2棟に8650万円、飼料調製貯蔵施設2棟に3260万円をそれぞれ予算配分。
 5月7日には、家畜保護施設であるフリーバーン牛舎2棟と堆肥舎1棟の建設に向けた設計業務の委託入札を開札予定。
 宮澤牧場の牛舎をS造平屋建て延べ約1000uで小美玉市鶴田地内に建設するほか、荒井牧場の牛舎をS造平屋建て延べ約570uで茨城町若宮地内に建設予定。さらに茨城町中石崎地内では海老沢牧場の堆肥舎をS造平屋建て延べ364uで建設する。
 この設計を8月までに終え9月に工事発注を見込む。
 そのほか県有林事業では、植栽や保育管理、施設整備、調査業務を県から受託し、森林の適正な管理を図る。指導林事業に1271万円、分収林事業に3693万7000円の、計4964万7000円を予算化。
 また農地保有合理化事業では、新たに「いばらきの畑地再生事業」を行う。点在する耕作放棄地と周辺農地を一括で借り上げ整備し、農業生産法人などに貸し付ける。事業費に1665万円を配分。
 一方、収益事業では、調査設計事業として農業農村整備事業の生産基盤や農業用施設の整備に関する調査設計を受託する。また農用地等造成事業として、農業農村整備に関する積算・監理業務や、県および関連団体の保有する用地の管理業務を積極的に受託する方針で、事業費には合計3780万円を計上。
 林業緑化コンサルタント事業では、県や市町村が推進する治山事業や林道事業に係る調査・測量・設計などの業務を受託する。また、森林公園等整備事業の調査測量設計や関連業務の受託を計画。治山事業、林道事業、森林公園等整備事業を合わせた事業費に1749万円を見込んでいる。
 2013年度の主な事業計画は次のとおり。
 ◆農地保有合理化事業
 ◇売買事業(170件、70ha、4億5500万円)
 ◇賃借事業
 ・借入(13件、56・8ha、504万6000円)
 ・貸付(9件、58・5ha、514万4000円)
 ◇農地管理事業(水戸市十万原地区の農地売渡事業、11ha、351万9000円)
 ◇いばらきの畑地再生事業(点在する耕作放棄地と周辺農地を一括で借り上げ整備し、農業生産法人などに貸し付ける、1665万円)
 ◆農用施設設置事業(畜産担い手育成総合整備事業、茨城中西部地区)=2億7308万3000円
 ◇2009年度から5カ年の計画で、小美玉市外5市1町において、県が策定した事業実施計画に基づき、草地、飼料畑の造成整備、畜舎等整備、農機具などの導入を実施中。
 ◇本年度は飼料畑造成・整備改良、施設用地造成、家畜保護施設(付帯施設を含む)、家畜排せつ物処理施設、飼料調製貯蔵施設の整備を実施する。
 ・飼料畑造成改良0・5ha(150万円)
 ・飼料畑整備改良0・5ha(100万円)
 ・施設用地造成0・8ha(680万円)
 ・家畜保護施設3棟(1億1300万円)
 ・家畜排せつ物処理施設2棟(8650万円)
 ・飼料調製貯蔵施設2棟(3260万円)
 ・測量試験費(1262万9000円)
 ・工事雑費(333万円)
 ・一般管理費(1471万6000円)
 ・附帯事業費(100万8000円)
 ◆県有林事業=4964万7000円
 ◇林業の振興のために、県有林(指導林・分収林)事業に係る植栽や保育管理、施設等管理、および調査業務を県から受託し、事業を実施する。
 ◇指導林事業
 ・管理(管理運営、実施計画資料収集一式、604万2000円)
 ・保育(植栽1・6ha、下刈2・05ha、枝打0・61ha、保育間伐3・71ha、被害木伐倒20立方m、378万2000円)
 ・施設整備(作業道補修1万2810m、220万4000円)
 ・調査(保育間伐調査12・48ha、間伐調査11・75ha、68万2000円)
 ◇分収林事業
 ・管理(管理運営、実施計画資料収集一式、714万6000円)
 ・保育(捕植1・85ha、下刈60・34ha、除伐13・1ha、枝打2ha、保育間伐83・22ha、2485万円)
 ・施設整備(作業道補修6100m、104万8000円)
 ・調査(主伐調査43・69ha、間伐調査25・56ha、保育間伐調査68ha、389万3000円)
 ◆特定鉱害復旧事業(北茨城市、高萩市、日立市十王地区)=67万4000円
 ◇特定鉱害復旧事業基金をもとに、石炭鉱業における地表から50m以内の採掘または坑道跡の崩落に起因する鉱害復旧事業に関する業務を実施する。
 ◆県自然観察施設管理運営事業=1億6530万7000円
 ◇自然観察施設の指定管理者として、県民が自然に親しみながら、安らぎと憩いの場としてくつろげる施設の管理運営に努める。
 ◆農業コンサルタント事業=2224万7000円
 ◇基盤整備関連経営体育成計画書策定業務受託事業(4件、934万7000円)=土地改良事業実施地区における経営体の育成と農地集積を図るため、流動化目標設定のための基礎調査と農地流動化計画書策定業務を市町村から受託。
 ◇6次産業総合推進受託事業(県内全域、1290万円)=6次産業化サポートセンターとして相談窓口を設置する。
 ◆調査設計事業(受託事業、調査設計・積算一式)=126万円
 ◇農業農村整備事業の土地利用型農業の向上に資するため、生産基盤や農業用施設の整備などに関する調査設計と積算業務を積極的に受託する。
 ◆農用地等造成事業=3780万円
 ◇農業・畜産業の生産性の向上を図るため、農業農村整備に関する積算・管理業務等、および各種用地の管理業務を積極的に受託する。
 ・農用地等整備一式(20万円)
 ・積算・監理業務一式(1700万円)
 ・飼料用稲収穫調製業務30ha(800万円)
 ・その他の事業一式(1260万円)
 ◆林業緑化コンサルタント事業=1749万円
 ◇県および市町村が、県土の保全や林業生産基盤の整備を図るために推進している治山事業および林道事業などにかかる調査・測量・設計等の業務を受託し実施する。
 ◇また、快適な生活環境、自然環境の保全・形成を図るための森林公園等整備事業調査測量設計等業務および関連事業を受託し実施する。
 ・治山事業(国補治山事業、県単治山事業、保安林整備事業一式、1224万円)
 ・林道事業(国補林道事業、県単林道事業、273万円)
 ・森林公園等整備事業(平地林等整備事業、自然公園等整備関連事業、252万円)