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福島建設工業新聞社
2013/05/07

【福島】県土木部CM試行導入/人的不足補完/工事の監督業務でマネジメント行為代行

 県土木部は、復旧・復興工事の本格化に伴う業務量の増大に対応して、工事の監督業務にCM方式を試行導入する。判断・意思決定を除く監督職員のマネジメント業務をCMに負わせる「発注者支援型」をイメージ。CMrは発注者の立場で監督業務を代行する。CMの導入により発注側の人的不足を補う。先月、部内にCM検討会を立ち上げており、試行を通じて課題等を整理、検証する。相双建設事務所が管内の3工事で一括試行するため、2日付でCM選定のための公募型プロポーザルを公示した。予算措置上、単年度契約となるが、次年度以降も業務委託の継続を想定している。
 事業量増大に伴う業務の補完のため同部は昨年度、災害復旧と除染業務を対象に発注者支援業務を導入。年度途中からは適用範囲を、通常事業を含めた全事業の監督、積算技術支援に拡大した。
 復旧・復興期間中の人的不足を補完するため、外部委託の範囲をさらに広げ、CM方式の手法を試行導入する。
 CMrには基本的に、監督職員が行う業務の大部分を付与する。業務の範囲は設計、発注、施工各段階における設計の検討や工程管理、品質管理、コスト管理などを想定。設計段階での関係機関との協議や調整、資料の作成・検討、委託業務受注者との協議、発注時の積算資料作成、施工段階での立会、施工者との協議などが該当する。判断・意思決定にかかわる権限は付与しない。委託の具体的な範囲は、CM業務の発注者が決定する。
 CMrは業務の受託期間中、委託先に常駐してこれら業務を県と一体となって遂行。県はケースに応じ、監督員としてのCMrを補完する。
 業務範囲が発注者の指示に基づく補助業務に限定される発注者支援と異なり、CMrは監督員の立場で県内部に対し、主体的にコスト縮減や工期短縮などの技術的な提案もできる。
 先月には技術管理課長を会長に、本庁事業課と各建設事務所で組織する土木部CM検討会を立ち上げた。
 モデルケースとして相双建設事務所管内の工事で試行するため、検討会の下に相双建設事務所CM試行部会も設置した。部会は同事務所と本庁技術管理課、土木総務課、用地室、建設産業室、道路整備課で始動。必要に応じ河川などにも参集範囲を広げる。
 同事務所では、トンネル工事など複数年にまたがる大型工事を含む道路改築事業3路線を対象に選定。3路線を一括して、CM業務を委託する。
 単年度での予算計上のため、今回の業務委託期間は今年度いっぱいになるが、次年度以降も継続、全体で期間5年を想定している。