日本工業経済新聞社(茨城)
2013/04/17
【茨城】環境省 茨城の最終処分場再選定で環境省が施設概要説明
環境省は、指定廃棄物の最終処分場建設地の再選定に向け、県内市町村長らを集めた第1回目の市町村長会議を開催。その中で現段階の施設整備概要を示した。必要面積は合計で1万4000u。1日当たり100sの処理能力を持つ小型仮設焼却炉(500u)や管理施設(1400u)、搬入・構内道路(4200u)、防災調整池(1600u)などの設置を想定している。
この会合は、高萩市への候補地選定から仕切り直しとなった経緯の検証結果や今後の方針、施設の構造などを市町村長へ説明したもの。市町村との意思疎通が不足していた前政権下での反省を踏まえ実施。市町村長からは、県内への設置を反対する意見や、福島県への集約を求める意見などが挙がった。
国の計画によれば、最終処分場内には、可燃性廃棄物を焼却・減容化する「小型仮設焼却炉」を想定。処理能力は1日当たり100s(8時間/日運転)。
また不燃性の指定廃棄物と小型仮設焼却炉で発生した焼却灰を処分する「埋立地」を設置する。埋立要領は8500立方m(250立方m×34セル)。
そのほか、敷地内に管理施設、搬入道路、構内道路、防災調整池を設置する。
敷地周辺には残置緑地と造成緑地の面積を確保するとともに、覆土仮置き場を確保。
施設の必要面積は合計で1万4000u。そのうち埋立地が6300u、小型仮設焼却炉(前処理設備および灰出し設備含む)が500u、管理施設が1400u、搬入道路と構内道路が合計4200u、防災調整池が1600u。
そのほか残置森林・造成森林に3500u、覆土仮置き場に3000uを想定している。
埋立地は、1セルあたりの面積を50u、容量を250立方mとし、充填する土壌などの容積を考慮して最終処分場を埋立てできるセル数を算定。仕切り壁厚さを35pとし、管理点検廊、屋根および埋立作業に必要な面積を加えて算定。
小型仮設焼却炉は1日当たり100sの小型焼却炉と付帯設備を設置するのに必要な面積を設定。火格子式やキルン式などをあつかう焼却炉メーカー3社からのヒアリングに基づいて算定した。
管理施設は管理棟(700u)、駐車場(400u)、倉庫・車庫(300u)、洗車場、計量器、汚染検査場として必要な面積を算定。
搬入道路と構内道路はこれらの施設を配置し、機能的に利用するために必要な道路として計画。最小幅6m。周囲に余裕幅として2mの確保を想定している。
防災調整池は、開発面積1ha当たり1300uの調整容量を確保できる施設に必要な面積を算定した。
今後のスケジュールとして、4月22日に有識者会議で候補地の選定手順や評価項目・評価基準などを話し合った後、5月以降に第2回の市町村長会議を開きたい考え。
その後、専門家による評価や候補地の安全性に関する詳細調査(ボーリング調査など)を実施する予定だが、市町村長の理解が重要となるため時期は未定。
なお、前政権下で候補地を選定した際には、潟Gックス都市研究所(東京都豊島区)が調査を担当した。