建通新聞社
2013/04/16
【大阪】工事は前年度11%減6320者 府入札
大阪府域の水道一元化を目指す水道事業統合検討委員会(委員長・竹山修身堺市長)の第5回会合が4月15日に開かれ、約221億円が見込まれる統合メリットについて、大阪市域のために活用する方向性が示された。今後、23日に開催する第3回首長会議で詳細を議論し合意を得ることになるが、統合に反発を強める市議会をこれから説得する大阪市の橋下徹市長にとって、好材料となりそうだ。
統合に向けては、2月の大阪府下43市町村の第2回首長会議で2014年度の統合を目指すことで合意した。しかし、水道事業の改革で大阪市が29年度までに生み出す約221億円の効果額(統合メリット)は、企業団が活用することになっていたため、大阪市議会が一斉に反発。5月市議会に提案する予定の企業団規約変更案についても否決される公算が高まっていた。
今回の会合では、統合メリットの使徒について、企業団と統合する市町村に対して、広域化に資する施設整備費用などに活用する。詳細な制度設計は別途行うという案がいったん示された。ただ、各委員会から出された意見を踏まえ、市域に限定して活用する方向で調整を進めることになった。
今後は、43市町村に先行して大阪市が企業団規約変更案を5月市議会に提案。他の市町村は9月市議会に提案を予定している。43市町村が全て可決されれば、すぐに規約変更許可申請を行い、大阪府知事の許可を得てから、条例制定や広域的水道整備計画改定などの関連手続きを進める。これに約半年の工程を見込んでおり、14年4月の事業統合を目指す。