建通新聞社四国
2013/04/16
【徳島】県内病院耐震化率は57%
厚生労働省の全国における病院の耐震化改修状況調査(2012年9月1日現在)で、徳島県内の病院の耐震化率は57%となり、前回実施した調査(10年10月1日現在)より5・7ポイント改善した。また、災害拠点病院の耐震化率は72・7%でこちらも前回調査より28・3ポイント改善した。全体の改善幅は全国平均の4・7ポイントを大きく上回ったが、耐震化率はいまだ全国平均の61・4%を下回っていることから、県は今後も引き続き、医療施設耐震化臨時特例交付金などの活用を促すなど、早期の耐震化対策を働き掛けていく考えだ。
県は、厚労省の要請を受けて県内の病院施設(病棟部門、外来診療棟部門、手術検査棟部門)に対する耐震化状況の調査を12年9月に実施。2年前の10年調査より、3病院減った114病院(公共11病院、民間などその他103病院)を対象に調査、全ての病院から回答を得た。
その結果、全ての建物に耐震性のある病院(調査A)が65病院(公7、他58)で、一部の建物に耐震性がある病院(調査B)が34病院(公1、他33)、全ての建物に耐震性がない病院(調査C)が1病院(公1=由岐病院、他0)、建物の耐震性が不明の病院(調査D)が14病院(公2、他12)あった。このうち13年度までに全ての建物を耐震化する予定の病院が1病院(公0、他1=民間)となっている。
なお、調査Cの全ての建物に耐震性がない病院数が前回調査より4病院減り、調査Dの建物の耐震性が不明の病院数が前回調査より5病院増えた点について県は、調査Cの整理で耐震診断未実施の病院は調査Dの病院としてカウントしたためとし、またこれらの病院の合計数が14病院から15病院に増えた点については、調査Bの病院から2病院が前回調査から建物の耐震性が不明だったとして調査Dの病院に移動し、調査Dの病院1病院がその後の耐震診断などで調査Bの病院に移動したためとしている。
一方、調査Bの34病院と調査Cの1病院のうち、Is値が0・3未満の深刻な建物を有する病院は7病院(公2、他5)。これらの早急な耐震化対策などに加え、調査Dの病院14病院の耐震診断調査の実施などが今後県内病院の耐震化促進のかぎになるが、それらに必要な経費確保が困難な病院も少なくないとされる。このため県はこれら病院に対して、基金の活用を働きかけるなど必要な財政支援などを働き掛けていくことにしている。
また、災害拠点病院11病院のうち、未耐震化の3病院(県立三好病院とJA麻植協同病院、徳島大学病院)については、いずれも整備中もしくは発注済み。これらは厚労省が掲げる14年度末の耐震化率100%達成を目指し、整備が図られる見通しだ。