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建通新聞社(静岡)
2013/04/05

【静岡】登録基幹技能者を評価項目に追加、低入での失格基準額引き上げ―県の入札・契約制度改善

 静岡県は、2013年度の公共工事入札・契約制度の改善内容をまとめた。建設工事と建設関連業務委託で見積もりにより積算を行う場合の歩掛かりを新たに公表するほか、総合評価落札方式の工事で登録基幹技能者の配置の有無を選択評価項目に追加。低入札価格調査制度での失格基準額を引き上げる。また、建設関連業務で、実施方針を求めない「簡易型U」の総合評価落札方式と、維持管理業務での低入札価格調査制度の導入を試行する。
 主な改善事項は、建設工事で、▽見積もりによる積算を行う際の歩掛かりの公表▽入札参加停止措置の措置期間の延長による加重▽総合評価落札方式の実施目標の明確化▽総合評価での企業能力に関する評価項目の追加▽簡易型Uの取り扱いの簡略化▽技術提案数限定タイプの拡大▽低入札価格調査制度での失格基準額の改定―。
 建設関連業務では、▽見積もりによる積算を行う際の歩掛かりの公表▽総合評価落札方式の実施目標の拡大▽総合評価での実施方針を求めない簡易型Uの試行▽維持管理業務への低入札価格調査制度の試行導入―を実施する。
「建設工事」
 建設工事では、透明性の確保策として、県の積算基準決定要領に基づいて決定した歩掛かりを、原則として入札公告時に積算参考資料として公表する。建築工事などの複合単価は対象外。
 不正行為の排除を徹底するため、競売入札妨害や談合などによる入札参加停止措置のうち、短期(初犯)の場合の措置期間を1・5倍に加重。例えば、県や県内市町が発注した工事で独占禁止法違反行為があった場合、これまでの措置期間は12〜36カ月だったが、これを「18〜36カ月」とする。
 総合評価落札方式の入札では、予定価格5000万円以上の工事はこれまで通り原則適用。1000万円以上5000万円未満の工事で5割程度としていた目標を「5割以上」とし、年間の目標件数を「700〜800件以上」に設定する。
 施工の信頼性を判断するための企業の能力の選択評価項目に「登録基幹技能者」を追加し、登録基幹技能者を現場に配置できる場合、1点を加算する。元請けだけでなく、下請けで配置する場合も加点対象にする。
 また、県内部での簡易型Uの取り扱いを簡素化し、入札手続きまでの期間を短縮するほか、技術提案数を五つに限定したタイプの試行を20件以上で実施する。
 ダンピング対策では、施工体制確認型総合評価落札方式の試行を継続(20件以上)。低入札価格調査制度での失格基準額を「調査基準価格の80%」に引き上げる。これにより、予定価格の56%程度だった失格基準額が「予定価格の7割程度」になる見通し。
 さらに、ビジネス経営体を対象とした入札の試行について、各事務所1件以上(12年度は8事務所で10件)の目標を継続する。

「建設関連業務委託」
 建設関連業務委託については、建設工事と同様、見積もりによる積算を行う際の歩掛かりを公表。
 制限付き一般競争入札の試行を継続し、予定価格1000万円以上で原則実施、100万円以上1000万円未満で2割以上(全体で90件以上)の目標を掲げた。
 また、不正行為の排除の徹底として、こちらも入札参加定期措置の措置期間を延長する。
 総合評価落札方式では、予定価格2000万円以上で原則実施する方針は同じだが、12年度に100万円以上2000万円未満の案件の2割程度としていた目標を、「500万円以上2000万円未満の3割以上」に拡大。1000万円以上で重点実施する方針も掲げ、全体の目標を「150件以上」に設定する。
 さらに、企業の能力などと配置予定技術者(管理技術者のみ)の経験・能力だけを評価項目とする「簡易型U」を新たに各事務所で2件程度試行。
 ダンピング対策では、交通基盤部で「土木工事標準積算基準書」などを用いて発注する維持管理業務に低入札調査制度を試行導入する。単価契約を除く案件に原則適用し、この結果を検証する方針。
(2013/4/5)

建通新聞社 静岡支社