建通新聞社(神奈川)
2013/04/02
【神奈川】神奈川県 「かながわ都市マスタープラン」に津波対策を追加 予防と復旧 レッドゾーンの指定も
神奈川県は、「かながわ都市マスタープラン」に「津波対策編」を追加した。東日本大震災の教訓を踏まえ、最大クラスの津波に備えた都市づくりを進める。命を守るための予防対策と、被災後の都市復興を想定した事前の準備などを盛り込んでいる。
命を守るための予防対策では、「最大クラスの津波から逃げやすい都市づくり」と「建物や都市施設が被災しにくい都市づくり」を掲げる。減災の考えを基本として、ハードとソフトの施策を組み合わせる。
ハードでは、沿岸部に立地した施設などで、津波避難タワーなどの津波避難施設整備を推進。沿岸部の急傾斜地や高架構造の道路では避難階段などを整備。地下階のある施設では、止水板や防水扉を設置する。海岸保全施設などは、すぐに壊れず、粘り強さを発揮する構造を検討する。
津波浸水予測区域に立地する行政関連施設や公共公益施設は、耐震化などの施設改良や、高層化、移転などで被災リスクの低減を検討する。
ソフト面では、住居系の建物が徐々に被災しにくい構造になるよう、移転も含めた指導を行う。津波災害特別警戒区域(オレンジゾーン)や、条例による区域(レッドゾーン)指定も視野に入れる。
また、津波浸水予測図、津波ハザードマップの公表、津波避難計画の策定、誘導サインや海抜表示などで県民への情報提供を拡大する。
「津波災害からの都市復興に備えた事前の取り組み」も明示。
都市復興基本計画の策定に当たっては、@住居系土地利用、産業系土地利用の配置についての再検討A建築制限などの手法B高台移転や土地嵩上げC二線堤など、新たな津波防護施設の整備−などを事前に検討。復興後は、「従前よりも安全性の高い市街地とする」ことを原則とする。