日本工業経済新聞社(群馬)
2013/04/02
【群馬】県八ッ場ダム、八ッ場BP踏み切り箇所の整備着手
県八ッ場ダム水源地域対策事務所は、本年度から東吾妻町松谷地内を走る国道145号八ッ場バイパスの本線振り替え工事に着手する。JR吾妻線の付け替え工事が完了していないことから、踏み切りを設置して2012年12月に暫定供用を開始した同バイパスで、吾妻線の付け替え完了を見越して先行工事を行うことになった。線路横断箇所以外で国道本線の迂回工事を実施し、鉄道が新たなルートに移行後、速やかに線路部の工事に取り組む。全体の事業費は約4億円を見込む。
国道145号八ッ場バイパスは、東吾妻町松谷地内から長野原町長野原地内までL10・84qを結ぶ基本幅員25mの道路。八ッ場ダム建設に伴い水没する国道145号の付け替え道路であり、国土交通省と群馬県が整備を進める全長85qにも及ぶ地域高規格道路「上信自動車道」の一部となる。
付け替え吾妻線の整備が遅れたことから、踏み切りによる同バイパスとの平面交差で、現在供用されている。本来直線形を取るはずだった箇所もカーブを設けて、線路となるべく直角に近い線形で交差せざる得なかった。新たに整備される国道本線は延長569m(側溝工あり)を予定。また同国道の南北に側道として町道1号および2号を建設する。設計業務はパシフィックコンサルタンツ(東京都多摩市)が担当した。
本年度は、踏み切りのやや東側で線路を挟んだ南北を対象に迂回道路の工事に着手する。延長はL500m程度を見ている。工期はおよそ半年で年度内完成の予定。それに合わせて上期内に発注する。工事内容は検討中であるが、土工から路床までの整備を行い、吾妻線付け替え後にJR鉄道敷での踏み切り撤去などを済ませてから路面工事を行うことも考えている。吾妻線付け替え完了の時期は不確定だが、新川原湯駅の整備などが進行中。
迂回道路の使用開始後、同バイパスと交差し現在砂防事業が振興している鎌田沢でボックスカルバートの整備へ移る。断面は5700×9600。そのほか、同沢以西の国道本線および側道である町道1号線、同バイパスと旧国道取付道路工事および町道2号線との交差点部の改良工事を同時に進める。
鎌田沢ボックスカルバート完成後、国道本線のボックス直上、町道1号線の旧国道取付部、本線の西側バイパス接続部での道路工事を実施。最後に最後に国道本線の北側を走る町道2号線を整備し完了となる。
吾妻線の完成が不確定であることから事業完了年度も未定。