岐阜県は4月1日から建設工事に係る指名競争入札の選定業者数を土木一式のA等級では20者以上から15者以上に削減するなどの入札契約制度改正を実施する。また、2012年度に実施した地域維持型契約方式の試行を13年度も継続することとした。
今回の主な改正事項としては「建設工事に係る指名競争入札の選定業者数の削減」のほかに低入札調査基準価格に失格判断基準価格を設定する「調査設計等業務における低入札対策の拡充」、CPDの取り組み状況に係る評価対象の見直しや技術所見に関する課題数および提案項目数の見直しといった「建設工事の総合評価落札方式における『評価項目』の見直しについて」、「地域維持型契約方式の試行継続」。
建設工事に係る指名競争入札の選定業者数については、01年度から指名競争入札の選定業者数を土木一式工事A等級工事などで20者以上として実施してきたが、この12年間で建設業者が約2割減少していることや、入札辞退者が増加しているため指名業者数を削減する。
(詳細は表参照)
「調査設計等業務における低入札対策の拡充」としては、10年度は17件、11年度は40件と低入札案件が増加しているうえ、低入札案件は業務成績評定点も平均点より低く品質低下などが懸念されていた。このため、予定価格の68〜75%の範囲で失格判断基準価格を設けることでダンピング防止対策の強化を図る。
「建設工事の総合評価落札方式における『評価項目』の見直しについて」では、企業の技術力を適正に評価するためCPDの取り組み状況の評価について、土木工事などでは直近1カ年度で10単位以上について0・5点と評価していたものを直近2カ年度で20単位以上について0・5点と評価する。建築工事では改正により直近2カ年度で10単位以上について0・25点、20単位以上で0・5点と評価するなどとした。また、技術所見(技術提案)に係る課題数に制限を設けるほか、課題に対する提案数の見直しを行い、入札参加者の負担軽減を図る。
12年度に県内3カ所で試行した地域維持型契約方式については、地域維持事業の担い手となる大手建設業者が存在せず、これまで町外の建設業者が地域維持事業を行っていた七宗町や旧武儀町では町内に中小建設業者が構成する地域維持型JVを担い手として新たに確保できるなど一定の効果が見られた。その一方で代表構成員の負担が大きくなるなどの課題も報告された。これらを踏まえ13年度も引き続き地域維持事業の担い手としての建設業者の確保が必要な地域を対象に試行を継続することを決めた。
提供:建通新聞社