福島建設工業新聞社
2013/03/28
【福島】県版復興JV/隣県活用の仕組み必要/専門工不足に強い懸念
県の建設工事復旧・復興本庁連絡協議会は28日、県庁内で第3回会合=写真=を開き、施工円滑化のための取り組みについて意見交換した。受注者団体側からは、新たな施工体制確保対策として県が打ち出した「準備期間確保工事」の運用について、専任技術者を有効に配置・回転させる上で有効だとして評価する声が出た一方、県版復興JVの拡充については、隣接県の事業者活用に向けた一層の運用柔軟化が必要との意見が寄せられた。設計単価と実勢の乖離や資材、専門工不足については。今後の見通しに懸念の声が上がった。
県の関係各課室長ら、受注側から木明義県建設業協会専務理事、芳賀一英県建設産業団体連合会常務理事が出席した。
県版復興JVは25年度から県外構成員の要件を緩和し、支店・営業所の県内所在を条件化しないよう運用を改めた。ただ、県の資格登録名簿でA等級の条件はそのままで、受注者側は「実質的に大手、準大手に限られ現実的でない」として、隣接県の企業活用に向け、その企業が所在する県の格付け評価を利用できるような、もう一段の運用緩和を求めた。県は自治体によって格付け基準がまちまちだとして、なお検討を要するとした。
相馬地区の資材不足問題では、稼働中の生コン4プラントでは供給量が不足するとして建設業協会が、仮設のプラント設置と合わせ骨材の県外調達の検討を進めている。協会側は仮設プラントの公設化など一層の支援を求めた。
災害公営住宅の建設で鉄筋、型枠工など専門工の不足に伴い、RCの場合、工程上の影響が大きいとして、工法の選択や情報提供を含めて県の対応を求めた。2次製品の使用に関しても、生産ラインの稼働率が低下している現状と合わせ、価格変動が激しい実態を示し、単価設定の仕方を含め一段の対策を訴えた。
入札不調については、根底にある単価と実勢の乖離を挙げ、既存制度の枠組みにとらわれない抜本的な対策が必要だとした。