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　指名競争入札の取り扱いなどを盛り込んだ県県土整備部の特例措置について、県契約検査課が新年度の運用方針を取りまとめたことが分かった。このほど、部内の各発注所属長へ通知したばかり。指名競争入札の取り扱いについては、これまでと同様となったが、注目は大型補正などによる公共事業の増大に対応するため、新たに設けた超簡易型の総合評価落札方式を適用させた条件付き一般競争入札（土木関係）の拡大とそれに伴う最低制限価格の拡大、さらに入札期間の短縮の２点。超簡易型の総合評価落札方式を適用させた条件付き一般競争入札は、現在の設計金額１億円未満から１億３０００万円未満へと拡大させ、さらに同様の金額での最低制限価格の適用も認めることとした。一方、入札期間の短縮では１億３０００万円未満の条件付き一般競争入札案件を対象に、これまで工事公告から入札締切日までの手続きに５週間程度要していたものを３週間程度にまで短縮し、建設業法に定める規定（15日以上）の最短プランとする。運用は４月１日以降の公告案件で、２０１４年３月末まで。

　特例措置のうち、設計金額１億円未満の工事を対象とした指名競争入札の取り扱いは、業界がもっとも注目していた施策の１つ。県県土整備部と群馬県建設業協会との意見交換の中でも継続を求める意見が多く、また同協会が会員に実施したアンケートでも指名競争入札の取り扱いの延長を要望する声が多く挙がっていた。
　同課は新年度の特例措置を考える上で、国が進める日本経済再生に向けた緊急経済対策に合わせ、本年度の補正予算および13年度の当初予算にかかる公共事業を迅速かつ円滑に執行するため、さらに東日本大震災の復旧・復興事業や全国防災事業を受け、本県でも今後資機材の高騰や建設労働者の需給ギャップが生じる可能性があることから、公共工事の迅速かつ円滑な執行を確保することを目的に運用方針を定めたという。
　指名競争入札の取り扱いだが、これまで通りの設計金額１億円未満の工事を対象に適用できることとした。また、条件付き一般競争入札の執行にあたっては総合評価落札方式を適用させるといった内容も継続とした。
　注目は、新たに設けた超簡易型の総合評価落札方式を適用させた条件付き一般競争入札（土木関係）の拡大とそれに伴う最低制限価格の拡大、さらには入札期間の短縮。
　超簡易型の総合評価落札方式を適用させた条件付き一般競争入札（土木関係）については現在、設計金額が１億円未満の工事を対象としているが、これを１億３０００万円未満にまで拡大。応札者に対する事後審査の適用範囲が広がることで入札期間のさらなる短縮を図る。
　併せて、これまで総合評価落札方式とセットだった低入札価格調査基準価格を上記の金額で最低制限価格でも適用できるようにした。低入札による調査などによって落札決定まで時間と手間が掛かっていた低入札価格調査基準価格の適用範囲を１億３０００万円以上へ引き上げることで事務の簡素化と迅速化を図る。
　他方、建設業法に定める見積期間の短縮規定を適用できるといった措置の継続に加え、新年度は新たに応札者の見積もりや入札事務などに支障が生じないよう配慮しながら入札期間自体の短縮に努める。
　対象は超簡易型総合評価落札方式適用の条件付き一般競争入札（設計金額１億３０００万円未満）で、これまで工事公告から入札締切日までの手続きに５週間程度要していたものを３週間程度にまで短縮する。すでに本年度、５０００万円未満の超簡易型総合評価落札方式を適用させた条件付き一般競争入札を対象に一部の土木事務所で試行済みだが、それを超簡易型総合評価落札方式適用の条件付き一般競争入札の拡大とともに１億３０００万円未満にまで拡大させ、さらなる入札手続きの期間短縮を目指す。
　具体的には公告から入札参加資格および総合評価落札方式の算定資料提出期限日までをこれまでの16日間から７日間へと短縮し、さらにそこから質問回答期限までの期間を１週間から３日程度にまで圧縮する。
　また、本年１月から設計金額１０００万円以上１億円未満の土木一式工事で試行を開始した総合評価落札方式の超簡易型で、工事成績評定や優良工事表彰の受賞実績をより評価した『技術力重視タイプ』については、新年度も各事務所の土木一式工事の件数に応じて試行を継続。各事務所における入札件数の10％程度を目標に定めるという。同課によると、12年度は太田土木事務所で２件、藤岡土木事務所で２件の計４件を試行したそうで「新年度は、１００件程度を目指す」と話している。
　技術力重視タイプは、工事成績や優良工事表彰の受賞実績を明瞭に評価し、知事表彰や部長表彰の受賞歴を評価項目でより高く加点するほか、工事成績評定の高い企業へインセンティブを付与するなど技術力を有する優良企業を高く評価する超簡易型総合評価落札方式の１つ。