北海道建設新聞社
2013/03/19
【北海道】上川中部で砂の供給逼迫−コンクリート2次製品製造に支障も
旭川市を中心とする上川中部で、生コンや舗装、コンクリート2次製品の主要骨材となる砂の供給が逼迫(ひっぱく)している。2012年秋以降、供給が極端に細り始め、現在も状況は変わらず、コンクリート2次製品を中心に価格改定の動きが進行している。砂不足が続けば、2次製品の製造や土木工事に支障を来す事態が懸念され始めている。
上川中部では、すでに旭川地方生コン協同組合が、セメント価格や燃料・運搬費、電気料金の上昇を背景に1月、需要家に向け建築標準物の単価を1m³当たり1000円引き上げる告知を実施。
コンクリート2次製品は、これらの要因に加え鉄筋、混和剤の値上げ、砂不足により価格上昇圧力が強まっている。
砂不足については、長引く不況と公共投資減により供給業者が過剰在庫を持たなくなったことに加え、予測の難しい民需や公共建築の設計変更などにより生コン出荷量が増大。大口需要家である生コンメーカーへの供給が上ぶれしたことも需給の不均衡につながった。
12年度の生コン出荷予測は当初、13万m³を見込んでいたが、最終的には2割増の16万m³になる見通し。砂の供給は、JIS物の生コンが優先され、次いで舗装、コンクリート2次製品、土工向けという商慣行があるため、コンクリート2次製品と土工向けが特に割を食う結果となっている。
このため、昨年は上川北部や南部、空知方面にまで砂を求める動きも見られた。13年度は、国の予備費や大型補正の繰り越し執行で事業量が大幅に増加するが、骨材採取場や事業者の減少、プラント生産能力の限界から急激な増産も難しく、需給の均衡は不透明な状況にある。