建通新聞社
2013/03/18
【大阪】大阪市 密集住宅市街地整備の推進 市未利用地活用などの新施策検討 モデルエリアの設定へ
大阪市は、密集住宅市街地整備を推進するため、従来からある都市防災不燃化促進事業などのメニューと、市未利用地を活用した建て替え促進制度などを総合し、集中的な施策を行うモデルエリアの設定を計画している。2013年度にモデル的な整備プログラムを策定。実施可能な新規施策については年度内に先行実施。14年度からモデルエリアでの集中的な展開を実施する考えだ。
市内には、老朽化した木造住宅が多く存在しており、それらの多くがJR大阪環状線外周部の戦災を免れた地区を中心に分布。防災性や住環境面でさまざまな課題を抱えた密集住宅市街地を形成している。
市は、防災街区単位の「防災性向上重点地区」(約3800f)と、この中から「特に優先的な取り組みが必要な密集住宅市街地」(約1300f)を指定し、老朽住宅の建て替え・除却、狭あい道路の拡幅、都市計画道路の整備などに努めているが、緊縮財政下で大幅な進展が見込めない状況にある。
このため、従来の発想にとらわれない対策メニューの多様化や、新たな大都市制度を見据えた区ごとの主体的な取り組み、防災に関する意識の高まり−が必要と考え、新施策やモデルエリアを検討している。
新施策では、@老朽住宅用地と市未利用地との交換による老朽住宅の除却、空地確保、道路整備。市未利用地を周辺の老朽住宅の建て替え種地として活用A避難経路確保に対する補助の創設B複数権利者による老朽住宅の自主建て替えに対する基本計画・事業計画作成への補助、支援−などを検討。既存補助制度の拡充なども計画している。
これらの新施策と従来の施策を総合して、▽老朽住宅の一体的な建て替えモデル▽市の未利用地を活用した生活道路の整備▽都市計画道路の整備に併せた、沿道土地の整理や不燃化▽容積割増などによる民間活力の導入−などを実施。「対策の見える化」による市民啓発を図る