静岡県は、都田川水系堀留川(ほりどめがわ)の治水対策を進めるため、都田川水系全体の河川整備計画原案を今夏にまとめる。新川合流部から蜆塚(しじみづか)排水路までの延長約2・3`の区間の川幅を現在の2〜3倍に拡幅する河川改修案について、流域委員会の了承を得たことから、地震・津波対策アクションプログラムの中に位置付ける津波対策も盛り込んで整備計画を策定する考えだ。
堀留川は、浜松市南区東若林町の国道1号鎧橋付近を起点に、浜松市入野地区を東西に流れ、新川への合流点に至る延長約4000bの2級河川。高低差が少なく水の流れが悪い上、流域の急速な市街化が進展したため浸水被害が多発している。
そこで県は、「堀留川を考える住民会議」を設置し、考えられる河川改修の手法や事業期間、課題などについて流域住民と意見を交わすとともに、効果的・効率的な治水計画の検討を実施。
新川合流部から蜆塚(しじみづか)排水路までの延長約2・3`の区間の川幅を、現在の2〜3倍に当たる60bに広げるとともに、流域内で雨水を貯留するための施設を学校の校庭などに設置する事業内容をまとめている。
市街化調整区域内にある河川の両岸の民地を買収し、10年に1度の確率で発生する降雨に対応できる河道幅を確保しながら、下流から上流に向かって川幅を広げていく。合わせて、流域全体での対策として、公共用地などへ調整池や遊水地などを整備する計画。
県では、堀留川を含めた都田川水系全体の河川整備計画を策定するため、学識経験者らで組織する流域委員会を3月7日に開催。この整備の内容について了承を得たことから、津波対策も盛り込んだ河川整備計画原案を今夏にまとめ、県民意見の反映手続きなどを経て整備計画を確定し、早期に事業着手したい考え。
(2013/3/15)
建通新聞社 静岡支社