建通新聞社
2013/03/12
【大阪】大阪府住宅まちづくり部 府庁舎本館耐震改修 WTOで4月に公告 予算案に66億円余計上
大阪府住宅まちづくり部は、府庁舎本館耐震改修の一般競争入札をWTO対象工事として、4月に公告する予定だ。工期は36カ月。2013年度予算案には、現年度の工事費1億3040万円と債務負担行為の工事費64億6960万円(13〜16年度)を計上しており、予算が認められれば、発注準備に取り掛かる。入札後、13年度の9月議会で承認を得た後に着工する。
場所は大阪市中央区大手前2ノ1ノ22。耐震改修は主に、歴史的・文化的価値が高い東館の全体を対象とする。建物はE字型で、鉄筋コンクリート造地下1階地上6階建て延べ約2万5000平方b。大正期(1926年建設)の希少な近代建築。現行の都道府県庁舎で最も古い。施工は大林組と清水組(現在の清水建設)。
外観デザインなどを保存しつつ、耐震改修する。本館地下階床を全面撤去後、基礎を撤去・補強し、免震装置を設置。免震装置は、積層ゴム、アイソレータ、弾性すべり支承(ししょう)、鋼材ダンパー、オイルダンパーによる複合構造。地震で地盤が激しく揺れても建物は追随せずゆっくり動き、地震力を緩和して建物と内部の設備・器具の損傷を防ぐ。これにより、Is値は0・9になる見込み。実施設計は松田平田設計大阪事務所(大阪市西区)が担当。
西館は長期的な保存の必要性は低いとして、東館の耐震完了後に撤去する方針。東館の西側に増築したコの字型施設で鉄筋コンクリート造地下1階地上5階建て延べ約9000平方b。