静岡県は2013年度、「新エネルギー導入促進事業費助成」として、住宅用の太陽光発電設備と太陽熱利用設備の導入に対する助成制度を継続するとともに、事業所の新エネルギー・省エネルギー設備の導入資金に対する利子補給を行う。住宅用太陽光発電設備の導入で1件当たりの補助額を減らす一方、対象(補助)件数を拡大。事業者向けの補助制度を取り止め、県の制度融資の活用を促す。当初予算案に事業費8億7510万円を計上した。
住宅用の太陽光発電設備導入支援については、県内の住宅用建物に太陽光発電設備を設置する個人や事業者に対し、県が直接補助する。12年度に1`h当たり2万5000円(上限10万円)としていた補助額を「1万5000円(上限6万円)」に引き下げる一方、1万1000件だった補助件数を「1万3000件」に増やす。予算額は8億0910万円。
住宅用の太陽熱利用設備導入支援では、給湯利用や給湯・暖房の併用、給湯・冷房の併用など、太陽熱を利用した設備を住宅に導入する際、設置費用の10分の1(上限10万円)を設置者に補助する。補助額は12年度と同額で、住宅用太陽光発電設備を導入する場合の助成制度と併用することも可能。補助件数は1100件で、事業費に5800万円を計上した。
補助を受けるには、国(太陽光発電普及拡大センター=J―PEC)の住宅用太陽光発電導入支援対策費補助金の補助対象となっていることが前提。
また、事業者が太陽発電や太陽熱利用、風力発電、水力発電、バイオマス発電・熱利用、地熱発電設備などの新エネ・省エネ設備を導入する際の支援策として、県の「中小企業向け制度融資」を活用する際に利子を補給(0・2%上乗せ)。年1・6%となっている融資利率を「1・4%」に引き下げる。融資枠として80億円設定しており、13年度の利子補給額として800万円を計上した。
県では、事業者による新エネ導入を促進するため12年度、新たに「事業者用太陽光発電設備等導入支援事業費補助金」を創設。太陽光、小型風力、中小水力の発電設備を整備する中小企業に対し、100万円を限度に経費の10分の1を補助する制度をスタートしたところ、再生可能エネルギーの固定価格買取制度などを背景に申し込みが殺到。予算を上積みしたが、それも補助枠に達したため受け付けを停止した。13年度はこの補助制度を取り止め、利子補給により県の制度融資活用を促す。
(2013/3/8)
建通新聞社 静岡支社