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日本工業経済新聞社(茨城)
2013/03/07

【茨城】環境省 選定プロセス見直し 最終処分場の候補地

 環境省は、指定廃棄物の最終処分場候補地の選定プロセスを見直すことにした。市町村との意思疎通が不足していた前政権下での反省を踏まえ、市町村長との会議を開きながら専門家で評価し、候補地の提示に向けて詳細調査を実施する。調査ではボーリングなどで地盤、地質、地下水を調査する予定。発注は環境省からとなるもよう。2月28日には井上信治環境副大臣が本県を訪れ、今後の方針などを橋本昌県知事と草間吉夫高萩市長に報告した。

 環境省では、昨年4〜5月にかけて設置が必要な5県(茨城、栃木、宮城、群馬、千葉)の知事に環境副大臣が協力を要請。その後、9月には茨城県高萩市と栃木県矢板市の候補地を両県へ提示。しかし強い反対で地元へ説明できない状況が続いていた。
 その間、昨年12月に政権が交代し、政府は前政権下での取り組みを検証。その結果、選定作業の実施と選定結果の共有に市町村との意思疎通が不足していた点や、候補地提示の詳細調査、専門評価が不足していた点などを問題視。これまでの選定プロセスを見直すことにした。
 今後は、市町村長会議の開催を通じて共通理解を図るほか、専門家による評価を行う。また候補地の安全性に関する詳細調査を実施する。
 そのうち詳細調査では、ボーリングなどにより地盤、地質、地下水などを調査する。そのうえで専門家からなる検討会(仮・指定廃棄物処分等有識者会議)から評価を受ける方針。
 県庁を訪れた井上副大臣は「今回の件を重大な問題として受け止めている」としながら、これまでの経緯を説明。市町村長と話す場が設けられるよう協力を求めると、橋本知事は「しっかりと地元へ説明して専門家で調査し、みんなが納得できるようにしていただきたい」と答えた。
 市町村長との会議について、副大臣は「できれば4月ごろに開いていただきたい。その際、経緯と施設の安全性を説明したい」と説明。
 また最終処分場の完成は2014年度を目標としていたが、「スケジュールはこれから。候補地は県内の全市町村が対象となる」と述べた。
 なお、前政権下で候補地を選定した際は、潟Gックス都市研究所(東京都豊島区)が調査を担当した。