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日本工業経済新聞社(茨城)
2013/03/05

【茨城】日立市新庁舎プロポ 最優秀案はSANAA事務所

 日立市新庁舎建設課は、新庁舎建設にかかわる設計コンペの審査結果を発表、最優秀案を汲rANAA事務所(東京都小平市)の提案に特定した。同者が提案した『市民の広場』整備という発想を高く評価した。今後、3月下旬までには同者との契約締結を完了させ、2013年度から14年7月までに基本設計と実施設計の策定を完了。早ければ14年の第2四半期に着工し、16年度内の供用開始を目指している。総事業費は約104億4000万円を見込む。

 新庁舎の建設予定地は、現庁舎西側の駐車場敷地約2万2205u。汲rANAA事務所の技術提案書によると、地上8階地下1階建て(免震構造)の延べ床面積約2万7960uを想定。
 主要施設では、海の見える執務空間や2階に配置するガラス張りの市民活動広場はじめ、災害時に防災拠点となる施設とするため、電気、ガス、水道などライフラインが遮断された場合でも、一定の期間、自立活動が継続できるように自家発電施設や井戸ポンプを設置。地下には防災備蓄倉庫、屋上には太陽光発電パネルを設置する。また駐車場には500台が収容可能な駐車スペースを整備する。そのほか、車両棟など約370u規模の付属施設も計画している。
 新庁舎建設設計提案競技(設計コンペ)には、県内外から15者が参加。昨年12月に開かれた第1次審査の結果、内藤廣建築設計事務所(東京都)、日本設計・日立建設設計設計共同企業体(同)、日総建(同)、SANAA事務所(同)、山本理顕設計工場(神奈川県)の5者が第2次審査に進んだ。
 第2次審査では、周辺の自然や交通環境への配慮や施設機能、建物の空間構成、敷地の利用計画、防災対策などについて審査。日本設計・日立建設設計設計共同企業体とSANAA事務所の提案を選定。
 特にSANAA事務所の「行政サービス以外にも市役所へ気楽に訪れることができる空間」に着目した『市民の広場』整備という発想が、市の目指す「開かれた新しい庁舎」の考えに近かったと高評価を受け、最優秀案に輝いた。
 今後は、14年7月までに設計業務をまとめ、14年夏以降に庁舎本体など第1期建設工事に着手、16年度内に供用を開始する予定。その後、旧庁舎の解体工事と駐車場・広場工事を行い、17年度末までには、全ての事業を完了させる方針だ。
 概算事業費は、本体工事費(約90億円)のほか、外構工事費(約5億3000万円)、旧庁舎の解体工事費(約2億円)、設計・工事監理費(約3億9000万円)、備品費(約3億円)、移転費(2000万円)などを含め概算で約104億4000万円を見込む。