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日本工業経済新聞社(茨城)
2013/02/20

【茨城】北茨城市 消防庁舎建設計画 13年度に実施設計を

 北茨城市は、消防庁舎建設計画をまとめた。現在の二つの庁舎の老朽化や耐震性が不十分なことなどから建て替える計画で、2庁舎を統合し、津波被害を受けない北部幹線道路沿線で市庁舎近くに新庁舎を建設する。新庁舎は免震構造とし、非常電源や貯水槽など大規模災害時に消防活動を継続する機能をもたせる。内部には指揮作戦室や事務室、会議室、救急準備室、防災研修室などを備え、外部には車庫、訓練塔、備蓄施設、ヘリポートなども配備する。建
て替えは2015年12月までに完了させるとした。市では13年度予算案に実施設計料5000万円を計上しており、議決を得て作業を進める計画だ。

 現在の消防本部(中郷町下桜井977−1)の事務・消防署棟(RC造2階建て延べ844・05u)は1970年(昭和45年)の建設で42年が経過し、老朽化が著しく、耐震化も不十分な状況にある。東日本大震災では床や壁に亀裂やはく離が生じ、津波が近くまで迫った。そのため、市復興計画に関する提言書でも早急に高台への移転が提言された。一方、北部分署(関南町里根川13−10。S造平屋建て延べ327・69u)も73年の建設で建設から39年が経ち、老朽化が進み、耐震化も実施されていない。これらのため、未来を見据えて高度な防災拠点施設として、2消防署を統合した新消防庁舎の建設を計画した。
 計画では、移転場所は、津波などの自然災害を受けることが無い安全な場所で、大型車両の出動が容易なことなどを勘案し、北部幹線道路沿線で市庁舎近くが適地と指摘。敷地面積は、消防ポンプ操作などの訓練場やヘリポートの設置が可能なおおむね8000uから1万uの広さが必要とした。
 新庁舎の構造・機能としては、地震対策として免震構造とし、非常電源やソーラー発電装置、貯水槽、災害井戸を配備する。内部には、指揮作戦室、事務室・会議室、食堂、仮眠室、シャワールーム、ロッカールーム、トイレ、救急準備室、救急シミュレーション室などを配置し、防災研修室や防災センター、消防記念コーナーなども設ける。
 車庫については、消防車両と救急車を全車両収容が可能な規模を計画。関係資器材を収納できる格納庫も配置する。車両の想定は、第1線出場車両が9台(指揮隊車1台、消防ポンプ車2台、水槽付消防ポンプ車1台、救急工作車1台、化学車1台、高規格救急車2台、司令車1台)、第2線出場車両が12台(消防ポンプ車1台、水槽付消防ポンプ車1台、高規格救急車2台、広報車など(乗用車型)4台、防災指導車1台、事務連絡車(乗用車)3台。
 そのほかにも、訓練塔(高層、各種訓練施設)、備蓄倉庫、自家用給油施設、井戸、自家発電設備、ヘリポート、電光掲示板による広報設備などの配備を計画している。
 建て替えの時期については、県内消防署の救急無線のデジタル化と指令業務の共同運用開始が2015年度末に計画され、それに先立つ習熟訓練が15年12月に始まる予定となっているため、それまでに無線設備を完備し庁舎も15年12月までに建て替えを完了させる必要があるとした。
 市では、13年度当初予算案に実施設計委託料5000万円を計上している。また、建設計画をホームページで公開し、今月15日まで市民などから意見を募った。