日本工業経済新聞社(群馬)
2013/02/18
【群馬】5校の補強へ33億−安中市予算案
安中市(岡田義弘市長)は15日、2013年度予算案を発表した。義務教育施設の耐震化がピークを迎えることから、普通建設事業費には58億5247万9000円を計上、前年度から71・6%増となり大きく伸びた。普通建設事業費は3年連続の増額となり、10年度当初の27億6984万5000円からは2倍超となる。15日時点では、いわゆる「15カ月予算」にあたる3月補正予算案の発表はなく、実質的な普通建設事業費はさらに増えるものとみられる。新規で安中小学校と碓東小学校の耐震補強・大規模改造に向けた実施設計に着手するほか、第一中学校や松井田小学校など6校の耐震補強工事などに億単位の事業費が配分された。岡田市長は「事業の選択と集中に努めながら、安心して勉学に励める環境づくりを最優先にした」と説明した。
義務教育施設の耐震補強事業は13・14年度がピークとなる。13年度は2校で実施設計、6校で耐震補強工事・大規模改造工事・施工監理・仮設校舎借上を行い、この8校の事業費はトータルで39億5374万6000円規模となる。安中小学校は中央校舎とC校舎、碓東小学校も校舎を対象に実施設計を進めていく。
工事を行うのは◇東横野小学校◇松井田小学校◇第一中学校◇第二中学校◇松井田東中学校◇松井田南中学校−の6校舎。すでに第二中学校では12年度から工事着手しているが、残る5校については13年度からの着工となる。この5校の事業費は計33億9881万3000円となり、これだけで12年度当初の普通建設事業費34億1136万円に匹敵する規模となる。
義務教育施設以外の施設整備にも新規着手する。耐震性能が低い松井田第一保育園と同第二保育園を統合し、新たな保育園を建設する市立保育園建て替え事業には5450万5000円を措置。13年度は用地取得、地質調査、測量設計に着手する。新施設は第二保育園の隣接地に建設する。学童保育事業には9519万3000円を盛り込んだ。碓東小学校隣接地に学童クラブを新たに建設するもので、13年度に用地取得、地質調査、測量設計、建設工事にまでとりかかる。
NHKで放送中の大河ドラマ『八重の桜』にあわせて観光客誘致を図る、安中まち歩き「襄・城ヒストリート」事業には2381万9000円を確保する。大名小路(武家長屋)そばに公衆トイレを新築するもので、工事費には1680万円をあてる。岡田市長は「(景観に合わせて)トイレらしくないトイレをつくる」と意向を示した。このほか、ガイドマップの作成や企画展なども催す。
県が事業を進めている西毛広域幹線道路と国道18号を結ぶ都市計画道路3・5・7扇城・下秋間線整備事業にも新規着手し、2098万8000円を計上。L510m、W12mで計画しており、13年度は道路詳細設計を行う。
このほか主な新規事業として、文化センターエレベーター設置事業、九十九地区生涯学習センター建替事業、旧安中藩郡奉行役宅屋根改修事業、住宅管理事業(住戸総合改善事業)、磯部駅自転車駐輪場整備事業などにとりかかる。住宅管理事業(住戸総合改善事業)は老朽化した市営住宅を計画的に改修し、居住環境の改善を図るもので、631万1000円を措置。13年度は秋間団地(50A−1棟)の実施設計を進める。
継続事業では、し尿処理施設基幹的設備改良事業、消防施設整備事業、安中榛名駅周辺交流広場整備事業(北側B区域)などを進めていく。安中榛名駅周辺交流広場整備事業では、ナラやクヌギなどを植栽してカブトムシなどの昆虫が観察できる市民の憩いの場となる広場整備を行う。