愛知県は、県立芸術大学(長久手市岩作三ケ峯1ノ114)の講義棟など9棟の耐震改修基本調査を2013年度に実施するため、当初予算案に調査費として1113万円を計上した。既存建築の文化的価値を損なわない耐震化工法を探る。また、芸術資料館の一部で耐震化工事を行う。
調査の対象となったのはIs値が0・6未満の施設。1965〜70年に建設された。
対象は、管理棟(地下1階地上3階建て延べ1689平方b)▽講義棟(3階建て延べ1624平方b)▽音楽学部棟(4階建て延べ2003平方b)の一部▽体育館(地下1階地上1階建て延べ1422平方b)▽大学会館(2階建て延べ658平方b)▽閲覧室棟(地下1階地上2階建て延べ930平方b)▽デザイン棟(2階建て延べ1618平方b)▽大工房棟・研究室棟(2階建て延べ1082平方b)▽美術学部棟(2階建て延べ1195平方b)のピロティ部分−。構造は体育館が鉄筋コンクリート一部鉄骨造で、そのほかは全て鉄筋コンクリート造。
耐震化の工法や、改修に伴う施設機能の変化、外観への影響などを調査する。
芸大の校舎は有名建築家の設計によるものが多く、文化的価値が高い。しかし開学から45年以上がたち、施設が老朽・狭隘(きょうあい)化するなど、対策が必要となっている。
芸大は耐震化に当たり、既存施設の価値を損なわず、かつ周辺環境に配慮した耐震改修工法を求めている。
工事を実施する芸術資料館は、ロビー部分を耐震化する。建物の規模は鉄筋コンクリート造地下1階地上2階建て延べ1854平方b。72年に建設された。2013年度予算案には事業費として約460万円を盛り込んだ。
芸大は11年度にキャンパス全体の再整備方法などを示したマスタープランを策定。既存施設の耐震化が完了した後に、再整備に着手する予定だ。
提供:建通新聞社