【静岡】投資的経費は前年度比3.8%増、補正予算含む15カ月予算では23.8%増に―静岡県の2013年度当初予算案
静岡県は14日、2013年度の当初予算案を発表した。一般会計予算は前年度当初を0・8%上回る1兆1391億円、このうち投資的経費は前年度当初比3・8%増の1780億0800万円を計上した。投資的経費が前年度を上回るのは2年連続で、国の補正予算に対応した12年度2月補正を加えた「15カ月予算」で見ると、前年度当初を23・8%上回る大規模(2122億8300万円)な編成となった。第4次地震被害想定の策定を視野に、地震・津波対策などに重点を置く。
13年度予算案は、@命を守る危機管理A人材の育成B豊かさの実現C自立の実現―の四つの分野に重点化して編成。特別会計は前年度当初比4・1%増の4351億6400万円、企業会計は同8・4%減の515億4800万円で、一般会計と合わせた3会計の総額は同1・3%増の1兆6258億1200万円。
「緊急輸送路の新耐震計画策定」「高齢者世帯の耐震補強計画策定を無料化」
最優先課題に掲げる命を守る危機管理では、まず、減災力の強化として、緊急輸送路の新たな耐震計画の策定(1000万円)に乗り出すほか、プロジェクト「TOUKAI―0」(8億3280万円)で高齢者のみの世帯の補強計画策定を無料化する取り組みを開始。原子力災害時の応急対策拠点となるオフサイトセンターの富士山静岡空港西側への移転に向けた建物基本・実施設計と造成工事(4億2000万円)に着手するほか、私立学校の耐震補強など(3億円)に助成する。
「浜松市沿岸域の防潮堤整備で試験盛土など着手」
災害に強い地域基盤の整備では、6月に策定予定の第4次地震被害想定を見据えた津波対策事業に57億3210万円を計上。河川堤防の嵩上げや耐震化、海岸の防潮堤や水門の耐震化、港湾・漁港の胸壁整備、海岸防災林の造成を進める。浜松市沿岸域の防潮堤整備については、民間事業者の寄付金20億2500万円を充て、試験盛土や仮設道路整備、試験植栽などに着手。災害予防対策で、河川の改修や水門の設置などに118億7800万円、海岸の高潮対策や保全に4億4700万円、砂防や地すべり、急傾斜地崩壊対策、農地防災などに121億5940万円を計上。災害復旧事業費に134億9200万円を盛り込んだ。
「交通環境改善と局地豪雨対策で緊急事業展開」
また、新規に「交通環境改善緊急対策事業費」と「局地豪雨緊急対策事業費」にそれぞれ25億円を計上。通学路の安全対策や地域の孤立防止・冠水対策などの道路整備と緊急治水対策を進める。
この他、▽県立高校の再編整備や特別支援学校の整備に56億6600万円▽県立大学新看護学部棟の整備に対する助成金に12億1500万円▽静岡南高校を活用した自然学習資料センター整備事業費に3億0300万円▽富士山世界遺産センターの展示手法の検討などに7300万円▽グランシップのスレート安全対策や老朽化設備の更新費用に10億2100万円▽老朽化した施設整備などを行う地域鉄道事業者6社への助成金2億5000万円▽旧長泉高校跡地を活用したファルマバレープロジェクト拠点施設整備に1820万円―を充てる。
(2013/2/15)
建通新聞社 静岡支社