国土交通省中部地方整備局営繕部が2012年度に発注した建築設計と設備設計、工事監理などの業務委託の一般競争入札で、不調・不落となるケースが4割近くに上っている。地方公共団体での学校耐震化に関わる業務の増加などが影響しているとみられる。営繕部では、内容によって複数の業務をまとめて発注するなど、対策の在り方を検討。13年度以降に試行していく方針だ。
営繕部は、12年12月18日までに47件の設計業務を一般競争入札で発注。このうち7件が不落、11件が入札参加者のいない不調となった。入札の平均参加者数は1・6者。再公告や再々公告、指名競争入札への移行も発生。小規模な改修設計や、辺地での工事監理業務に不調などが集中したという。10年度の入札には平均7・4者が参加、不調・不落はゼロだった。不調などは11年度後半から増加傾向にある。
営繕部がこれまでに業界と行った意見交換では、不調などが続く背景として業界側から、地方自治体の学校施設の耐震化に関連した業務が増加したことが影響していると指摘された。また、自治体では、設計業務の大半を指名競争入札で行っていることもあり、自治体の発注する業務に受注者が流れている可能性があるという。このほか、書類作成の煩雑さや技術者の減少が、比較的小規模な入札案件を避ける傾向につながるという見方もあった。
営繕部では対策として、設計と工事監理をまとめて発注することなどを検討。また、設計と工事監理でそれぞれ、5件程度をめどに発注ロットを拡大する手法なども考えている。
一方、ロットの拡大に対しては、小規模事務所でも可能な業務量を求める業界の声もある。
提供:建通新聞社