三重県は、北勢地域に設置する三重県広域防災拠点施設について、四日市市中村町の四日市東インターチェンジ(IC)周辺と同市寺方町の地区の2地区を候補地として選定した。今後、県と四日市市が協議して1カ所を選定する。2月5日に行われた「広域防災拠点施設等構想検討委員会」(委員長・室ア益輝関西学院大学教授)の第3回委員会で桑名市、四日市市内の5地区について協議し2地区に絞り込んだ。
候補地のうち、「四日市東IC周辺」は、四日市市中村町の県有地で面積は約1万9000平方b。県交通警察隊分室の施設の周辺が対象。東名阪自動車道の四日市東ICに隣接。利点は、高速道路のIC、ジャンクション(JCT)に近接しており、東方面などからの物資や応援の受け入れに対応でき、四日市港へのアクセスも優れている点、また、四日市大学など周辺施設との連携も可能、近接する北部墓地公園の利用などを挙げた。不利な点は、現状が丘陵地となっているため造成費がかかる点が指摘された。
一方、「四日市市寺方町」は、四日市市からの提案箇所で、四日市市寺方町の介護総合センター周辺。民有地で面積は約2万平方b。東名阪自動車道の四日市ICからは東側に約2900b離れた箇所。敷地は造成済み。四日市市消防中央分署が近接している。物資や応援の受け入れに対応できるものの、前記の四日市東IC周辺と比較するとICまでの距離が長いなどのマイナス面も指摘された。また市側は、将来的に防災機能を集約したい意向を持っているが、時間を要するものと考えていることから、県の広域防災拠点として整備する場合は市側の理解と協力が必要とした。
このほか県では、現在の広域防災拠点(4地域5拠点)の役割と機能について、大規模災害が発生し、三重県以西も大規模な被災を受けるケースなども想定して、県外からの物資、支援の受け入れ体制のあり方などを盛り込んだ新構想を策定する。3月19日に予定する第4回委員会で案を示す予定。
提供:建通新聞社