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日本工業経済新聞社(茨城)
2013/02/09

【茨城】県土浦土木 橋長寿命化へ部分塗替 講習会と現場見学会

 県土浦土木事務所は、職員の技術力向上を目的に、鋼橋における部分塗替塗装工事の講習会を事務所内で開いたほか、現場見学会を国道354号の土浦橋、桜川左岸側(土浦市下高津)で実施。県の技術職員ら約20人が集まった。この工事は橋梁の長寿命化をにらんだもので、2010年に同様の工事を実施した県常陸大宮土木事務所に次いで2例目。県南地区では初。
 県では2010年3月に橋梁長寿命化修繕計画を策定し、橋梁の補修や架け換えに要する費用の縮減と予算の平準化を進めている。今回の塗替塗装もその一環として実施。
 従来は全面塗装が一般的だったが、鋼橋の腐食は端部など特定の部位に集中していることから、その部分を耐久性のある塗膜系で塗装することにより、全面塗装より低廉な費用で延命化できる。
 講習会では、鋼橋の塗替え診断を請け負った土木研究センターの中野正則審議役が、部分塗替え塗装の詳細や事例関係を講義。続く現場見学会では実際に施工するもようが公開された。
 工事は、バキュームブラスト工法といった工法で塗装や錆を吸い取った後、耐久性のある塗装を行うもの。同工法は、研削材を吹き付けると同時に塗装や錆を吸い取ることで、粉塵の広がりを防げるといった特徴がある。
 施工者は且井塗装店(石岡市府中)。工法の施工協力を泣^ックコーポレーション(千葉県千葉市美浜区)が担当した。
 施工箇所は橋全体の約3%となる120u。橋桁から1・5mの範囲60uを、両岸で施工する。すでに右岸側で施工を終えており、左岸側で説明。作業車から工具で研削材を吹き付けると、みるみるうちに塗装や錆が剥がれた。参加者は、各担当者から真剣に話を聞きながら、技術研さんに努めた。
 なお土浦土木事務所では、土浦高架橋でも診断業務を土木研究センターへ委託しており、来年度以降に工事を予定している。