日本工業経済新聞社(群馬)
2013/02/06
【群馬】排水トンネル68m補修−中央第二土地区画整理
県中之条土木事務所は、地すべり対策事業を展開していた中之条町生須地区において、これまでに施工した排水トンネルの老朽化対策としての補修工事を本年度内に発注する。今回の2月補正予算で工事費を確保できる見通しで、発注方法は総合評価方式を適用した条件付き一般競争入札か、指名競争入札になるか今後判断する。トンネルの補修工事対象はL68m。酸性土壌による劣化が見られていることから、耐酸性施工方法が取られる。
生須地内の白砂川右岸部では89年から21年間にわたって、総事業費約28億円を投じて地すべり対策事業を実施。集水井21基、集水ボーリング工318本(総延長約20q)、排水トンネル総延長1042m、流路工L約2・8qなどが整備されている。
今回は、集水井が集中する中心部を走る排水トンネルの先端部付近L68mで内装の補修工事を行う。同トンネルはW2m、H2・2m、アーチ型フレーム形状。ライナープレートを組んで、同プレートと内壁との間に発泡ウレタンを詰めるという工事内容となる。地すべり指定防止区域の北側には湯の平温泉もあり、施設の老朽化に加えて酸性土壌によるコンクリートなど構造物の劣化も発生していた。
施工箇所は最も深いところで地山から深さ103mにもなる。年間を通じて湧水が発生しているが、迂回する配管を設けるため工事には問題ない。補修設計は11年度にアスコ(大阪府大阪市)が担当した。
本年度中に発注を行いたい方針。発注方法は、年度末までに日数を確保できるようであれば、総合評価方式を適用した条件付き一般競争を採用したい考え。参加条件について同事例の工事実績を求め、競争性を保つために参加地域を広げることを考えているもよう。指名競争になった場合、業種は土木一式を予定している。
西向きの斜面が指定地になっており、地下水位の上昇により地すべりが活発化。橋梁の中央部が隆起し通行不能になったほか、六合中学校外構部や主要地方道中之条草津線の路面に亀裂が入るなどの現象が起きていた。人家70戸、国道292号、発電所など保全対象も多く、平成に入り県営事業として対策に着手し、工事を行っていた。10年度に事業の概成を受けて、昨年度からは観測業務を実施中。