建通新聞社
2013/02/05
【大阪】大阪府都市整備部 「防潮堤等の粘り強い構造の検討」へ
大阪府都市整備部は、東日本大震災による被害を踏まえて、2013年度に「防潮堤等の粘り強い構造の検討」を行う考えだ。南海トラフ巨大地震への対応を図る。当初予算に1000万円の委託料の計上を見込む。
国の南海トラフ巨大地震対策検討では、今後の海岸堤防などの整備について、「発生頻度の高い一定程度の津波高に対して整備を進めるとともに、設計対象の津波高を超えた場合でも、施設の効果が粘り強く発揮できるような構造物の技術開発を進め、整備していく」方向性が示されている。
「海岸堤防が破壊、倒壊する場合でも、施設の破壊、倒壊までの時間を少しでも長くする、あるいは、全壊に至る可能性を少しでも減らすことを目指した構造上の工夫を施す」としており、すでに東北地方では、被覆ブロックの構造強化、緩勾配化、裏法尻の被覆など新たな考え方に基づく堤防工事が行われている。
国が「南海トラフ巨大地震の新たな被害想定」を公表するなど新たな要素が加わり、府としても対応する必要が生じている。
13年度は、国が示す被害想定の基礎資料などを参考に、津波により大きな被害を受ける防波堤や河川堤防の箇所を抽出。被災形態やメカニズムを整理し、これに対する構造上の工夫を検討する。
予算要求では、「国の整備基準の動向を見極める必要がある」として、現在のところ計上が見送られている。このため、知事復活による予算化を目指す。