日本工業経済新聞社(茨城)
2013/02/05
【茨城】県消防救急無線・指令センター整備推進協 設計は中日本建設コン
県内41市町村23消防本部で構成される任意協議会「県消防救急無線・指令センター整備推進協議会」は、消防救急デジタル無線システムと消防緊急通信指令システムの基本・実施設計者を中日本建設コンサルタント活城事務所(水戸市城南)に決めた。1月31日に入札し、税抜き8665万円で落札。同者が11月末までに設計をまとめた後、来年1月にも工事入札を執行予定だ。総事業費は約110億円。共同指令センターの候補地は水戸市役所内原庁舎で、耐震補強工事を先行して水戸市が行う予定。
この計画は、それぞれの消防本部が受けている119番通報を、共同指令センターを設けて一本化するもの。その際、従来の消防救急アナログ無線をデジタル無線に変えるため、基地局や無線機器などの通信施設、設備を共同で整備する。また共同指令センターを共同で整備し消防指令業務の共同運用を図る。
県では、2007年3月に共同運用を決定して以降、11年8月には市町村長会議を開催し任意協議会を設置。12年11月までに4回の協議会を開催した。
また11年11月から12年3月にかけて、消防救急デジタル無線電波伝搬調査を日本消防設備安全センター(東京都港区)に委託し、基地局やシステムを決める基礎調査を実施。基地を建てた際、建屋だけでなく車両とも連絡できるかを調査し、数十カ所の基地局と共同指令センターの候補地を選定。
この調査結果などをもとに、協議会で共同指令センターの設置候補地を水戸市内原町の水戸市役所内原庁舎としている。
今回の設計入札は「消防救急デジタル無線専用の音声コーディックを搭載した260MHz帯SCPC方式の実験局設備を用いた、移動計実験局での調査が可能なこと」などを参加要件に公告。
その後、3社(中日本建設コンサルタント梶A三和電子梶A東日本電信電話梶jから申し込みがあったが、東日本電信電話が辞退。2者で競われた結果、中日本建設コンサルタントが落札した。
同者は、国有林野の借用手続きなどに係る設計をはじめ、基地局建設に伴う造成設計、20mの鉄塔建設(基礎込み)の設計、組立庁舎建設(基礎込み)の設計、既設鉄塔を活用するための設計、鋼管柱建設の設計、そして業務内容の確認や協議、現地調査といったシステム設計などを行う。
その設計を11月30日までにまとめた後、無線・指令センター整備工事の来年1月入札を目指す。スケジュール表によれば、工期は14カ月程度を想定。15年6月から単体・結合・総合のテストを進め、同12月から習熟運用、16年3月から119番の切替作業に入り、同6月の運用開始を見込む。
これらの動きに合わせ、任意協議会では4月に法定協議会の立ち上げを予定。その後、各市町村議会などでの整備費予算の承認、契約などを進めていく。
また共同指令センターの整備は、内原庁舎の耐震改修が大前提となる。水戸市では、1月29日に実施設計を褐ヒ頃建築設計事務所(水戸市松が丘)に委託。この設計をまとめた後、14年12月をめどに耐震補強工事を進める。
なお、2003年の電波法関係審査基準の改正を受け、16年5月をめどに消防救急無線をデジタル化するよう、国から示されている。