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日本工業経済新聞社(群馬)
2013/02/04

【群馬】住民意見踏まえ継続−中央第二土地区画整理

 高崎市は、群馬地域で施行している中央第二土地区画整理事業について、事業計画を変更する。同事業は1998年2月から施行しているが地元住民からの反対があり、2001年から11年までの間、地区内西部が事業凍結地区とされ、事業見直しが必要とされていた。こうした状況を踏まえ、07〜11年度までの5年間にわたり、地元住民の意見を聴取するためのまちづくりワークショップなどを開催し、まちづくり方針の検討を行ってきた。住民の意見を十分にくみ取った結果、現道を生かした道路計画とすることを決定し、今後の事業推進を図っていく。

 同事業は、都市幹線道路を基軸とした区画道路や公園など諸都市施設の整備充実、既成市街地、転換型土地利用区域とを融合させた一体的な住宅地の質的充実を図り、「群馬地域中心拠点」を支える都市基盤整備を目的としている。施行区域は足門町、棟高町、引間町の一部約72・0ha。地区東側は都市計画道路3・3・11中央通り線、西側は主要地方道高崎渋川線、南側は工業地と水田、北側は一般県道足門前橋線に囲まれている。
 事業については地元住民からの反対があり、その後の紆余曲折を経て、イオンモール高崎を中心とした区域では整備を進めることとするが、地区内西部については11年度まで事業を凍結することになっていた。この間、高崎市と地域住民との間にNPO法人TEEP(Town Ecology Educate Produce)が入る形でワークショップを開催。市民との合意形成を図ってきた。その結果、現道を生かした道路計画とすることを決定し、総事業費を134億2000万円とした。市は「従来の計画より実質100億円程度の減額になった」と話している。事業凍結期間があったことから、施行期間は従来計画より10年間延長され、34年(平成46年)3月31日までとする。
 今後の土地利用計画として、地区北西側の3・4・14高崎渋川線と3・4・61前橋中里線の交差部は、将来周辺を含めた住区構成の中で中心核を形成する地区となるため商業地を配置する。その他は住宅地し、地区中央部から東側には平均的住宅地、北西側には都市型住宅地、南西側には現況を生かした田園型住宅地を計画する。
 公共施設計画のうち、道路は地区を囲む3・3・11中央通り線、3・3・59中央幹線、3・4・14高崎渋川線、3・4・61前橋中里線を幹線道路とする。これらの幹線道路に囲まれた地区の中央部を縦横に3・5・72棟高観音寺線および3・5・73引間観音寺線を補助幹線道路として計画する。
 区画道路は、生活環境向上のため通過交通を極力避ける道路網体系とし、W8mの集散道路は近隣区分を均等にサービスできる位置に配置する。その他の区画道路はW6mを基本に支障物件を考慮しながら配置している。
 特殊道路は、周辺を含む地域の歩行者ネットワークを考慮し、地区内の公共公益施設や地区周辺の主要な施設を結ぶ主要アプローチ軸線として、地区東側を南北に通る8・7・4水窪線の歩行者専用道路を配置し、その他は歩行者の利便性を考慮して適所にW4mで計画する。
 公園は、誘致距離や歩行者動線、安全性を考慮して歩行者専用道路沿いに配置する。公益施設と一体的に近隣公園9274uを計画するほか、1500〜2600uの街区公園を計5カ所で計画する。
 また、地区の南北を斜めに横断するかんがい用水路は8・7・4水窪線と一体化し、親水性のある水辺空間に改修して有効利用する。排水施設については、排除方式を分流式として、雨水・汚水ともに「市公共下水道基本計画」に準じた整備を実施し、雨水排水は近隣公園に設置する調整池で洪水時の流出抑制を図る。
 中学校については地区周辺の既存施設で対応できるよう学校区の編成を調整し、地区内に点在する墓地については4カ所に集約配置する。
 来年度以降の事務費を除いた事業費は、13〜15年度が6億9700万円、16〜23年度が5億9700万円、24〜27年度が4億9700万円、28年度が3億9700万円、29年度が2億9700万円、30年度が2億5700万円、31年度が1億4842万7000円、32年度が4700万円、最終の33年度が4676万1000円を見込んでいる。
 主な資金計画として、幹線道路事業費には11億9444万7000円、区画道路事業費には12億3550万8000円、建物移転費には77億5308万9000円を試算している。