建通新聞社四国
2013/02/01
【愛媛】山鳥坂ダム事業再開 13年度から道路調査など
国土交通省は、民主党政権時代に事業凍結されていた山鳥坂ダム建設について継続すると発表した。山鳥坂ダム工事事務所では、2026〜27年度ごろの完成を目指し事業を進める方針で、13年度から工事用道路および付け替え道路の調査・測量設計や、ダム本体に関わる地質調査・骨材調査、本体の設計などに順次着手する。スケジュールに沿って進めばおおむね7年後に本体工事に着工する見通し。
事業凍結から3年余を経て再開が決定したもので今後、肱川の漁業権収用に関する漁協との協議を急ぐほか、凍結前に損失補償基準の合意まで達していた地権者協議会との協議を再開し妥結を目指す。用地面積の概数は水没予定地65f、付け替え県道そのほか74fの計139fだが現時点での取得率は0%。付け替え道路整備のため、工事用道路の一部に先行着手したまま事業がストップした。
付け替え道路は県道(小田河辺大洲線)約6・7`、市道(岩谷松の久保線)1・9`を予定しているが未着工。工事用道路は約6・8`のうち0・8`が整備済で進捗率12%という状態。
当初計画での事業費は850億円で、12年度末時点での実施済額は186億円。そのほとんどは測量設計費で、2億〜3億円は地域住民の生活再建相談の委託費だった。事業検証の中で公開された残事業費で見ると残事業費トータル690・8億円のうち建設費は668・5億円。内訳は工事費413・1億円、測量設計費58・7億円、用地および補償費169・4億円、工事諸費21・8億円、残りは営繕・宿舎費となっている。
また、事業完了までに要する工程に年度を当てはめると補償関連の付け替え県道が13〜24年度、付け替え市道が14〜24年度、本体工関連では工事用道路整備が13〜20年度、基礎掘削が19〜21年度、堤体工コンクリート打設が21年度末〜24年度、試験湛水が25〜26年度−がおおむねのスケジュールとなる。
山鳥坂ダムは、肱川沿川地域の治水・洪水調節を目的として大洲市肱川町山鳥坂の肱川水系河辺川で事業中で、計画諸元は堤高約103b、堤頂長約282b、