建通新聞社四国
2013/02/01
【香川】綾川河川改修 来年度以降も積極整備推進
香川県河川砂防課は、2013年度以降も綾川河川改修事業の積極的な整備推進を図る方針。当面は坂出工区の未整備区間約1・6`の早期完成を目指す。同事業は33年度の整備完了を目指しており、計画残事業費を残る20年間に均等配分すれば今後、毎年度5億1000万円余りをかけて整備推進していくこととなる。
綾川の河川改修は、河口から1万5800bを全体計画とし、1973年度から事業開始。うち河口から府中湖までの8700bを坂出工区、綾川町滝宮の高松琴平電鉄琴平線軌道付近から上流の山田橋までの7100bを綾川工区と設定しており、現在、坂出工区内で整備推進している。
全体事業費は163億2000万円が見込まれ、完了事業量は53億8500万円、整備延長7100b。工事費ベースの進捗率は34%、用地買収の面積ベース進捗率は15%となっている。
坂出工区では8700bのうち、河口から綾坂橋までの延長7100bの整備が完了しており、整備推進中。12年度には綾坂橋下部工に一部着手、残る1600b区間では用地買収の必要がなく13年度以降、築堤や河床掘削を進め早期完成を目指す。
綾川工区の延長7100bは、坂出工区完了後に工事着手する方針だが、11年度から用地買収に着手しており、12年度に一部で官民境界工を実施した。区間内には鋼構造物として下流部から宮武橋、桶田橋、栗熊堰、御山大橋、一本松橋、綾上橋、山田橋があり、引堤により橋梁などの架け替えや延長が必要となるが、整備方針は未定。
1月28日に開かれた香川県公共事業評価委員会(委員長・井原健雄香川大学名誉教授)で、綾川改修の事業継続に対して再評価が行われ、事業推進の目安となる費用対効果を図る費用便益比(B/C)が、目安基準数値の1・5をはるかに上回る数値25・6が示され、事業を再評価した委員からも「整備が長期間かかっていることから、地元に費用効果の説明が必要。防災の観点からも整備が急がれる」と整備継続が妥当とされた。
費用対効果の分析で用いられた総費用(事業費)163億2000万円の内訳は、堤防・低水路など工事費が25億5800万円、護岸構造物の工事費が74億0500万円、付帯工事費が23億1400万円、用地費が20億2600万円、補償費が3億5100万円、間接経費が6億1000万円、工事諸経費が10億5600万円。総事業費を現在価値換算した場合は181億8700万円を見込む。
綾川では、04年10月に襲来した台風23号による洪水で浸水戸数578戸、うち床上浸水247戸、浸水面積241・6fの甚大な被害が発生しており、改修事業は地元からも早期整備が求められている。