静岡県は、森の力再生事業として環境伐や倒木処理などを2009年度に実施した169カ所・1312fの下層植生回復状況をまとめた。157カ所・1184fの下層植生が順調に回復している一方、回復が遅れている(今後回復が見込まれる)地区が12カ所・128fあった。要因と対策を検討した上で、シカ柵の設置などの対策を実施していく考え。24日に開いた県森の力再生事業評価委員会(委員長・佐藤克昭浜松学院大学教授)で説明した。
県では、県民税の超過課税を活用し、森林再生を進めるための森の力再生事業を展開。森林組合や林業事業体、造園業者などが整備者となって行う、荒廃した森林で環境伐や倒木の処理に年間約10億円を補助している。
この一環として、事業の効果を検証し、今後の対応を検討するため、事業実施から3年間経過後、下層植生の回復状況を調査している。
今回、09年度に事業を実施した169カ所・1312fの回復状況を調査。その結果、回復が見込まれない地区はなかったものの、順調に回復していない地区が12カ所・128fあった。
シカによる食害や地形条件(北向き斜面)などが回復の遅れている要因となっているため、県では、13年度の回復状況を確認しながらシカ柵の設置や追加の伐採などの対策を実施する。
また、08年度の事業実施地区で回復が遅れていた13カ所と07年度の4カ所で実施した追加調査の結果、9カ所(08年度)と3カ所(07年度)で回復の傾向が見られなかったため、こちらも13年度の回復状況を確認した上で、対策を行う。
(2013/2/1)
建通新聞社 静岡支社