建通新聞社(神奈川)
2013/01/29
【神奈川】川崎市 等々力市民プールの存続要望の声多数
川崎市が進めている等々力緑地再整備事業について、廃止する予定の等々力市民プールの存続を求める声が市民から挙がっている。既存の屋外プールを廃止してじゃぶじゃぶ池を整備する計画に対し、等々力町内会が4776人分の署名を添えた陳情を市議会に提出。プール廃止の撤回と存続を要望した。
23日に開かれた市議会まちづくり委員会では、「じゃぶじゃぶ池は既存プールの代替にはならず、新しいプールの建設に向けて検討を進めなければならない」との意見で一致。継続審議することを決め、市を代表する大規模公園にふさわしい施設の整備計画の検討を市に求めた。
等々力市民プールは大人用と児童用、幼児用プールの3種類があり、7〜8月に開放されている。過去5年間の年間平均利用者数は約5万人で、市内で最も利用者が多い屋外プール。1968年に供用を開始し施設の老朽化が指摘されていることや、敷地面積6000平方bがフェンスで囲まれていることなどから敷地の有効利用が指摘され、廃止した上でじゃぶじゃぶ池を新しく整備する方針だった。
市が現在想定しているじゃぶじゃぶ池の整備イメージは、水深が最大20a程度で、水を流す滑り台などの遊具を設置した親水施設。対象年齢は幼児〜小学生程度と限定されるため、これまでプールを利用していた市民から反対の声が上がった。
2011年11月に策定した等々力陸上競技場整備計画では、15年の夏の利用を最後に既存プールを廃止し、その後、硬式野球場の整備と同時期にじゃぶじゃぶ池の整備に着手したい考え。市は、「健康づくりの視点からも大人が利用できるプール施設は必要」としており、代替プールの建設場所の案として、17年に設計に着手する予定の陸上競技用第2期整備に併せ、サイドスタンドかバックスタンドの観客席下に屋内プール整備の可能性を検討するとしている。