県内の養護学校などの特別支援学校で施設の適正規模以上に生徒数が多い過密化≠ェ進んでいることを受け、愛知県は2013年度中に課題の解決に向けた計画を策定する。今後も生徒数の増加が見込まれるため、学校施設の新設を含めて検討しなければ、過密化への対応は難しいとの見方が有力だ。
計画の策定に先立ち、大学教授や小中学校の校長などで構成する「特別支援教育推進計画策定委員会」(仮称)を立ち上げる。
県内に特別支援学校は34校ある。各校の生徒数は全国平均に比べて多い。例えば豊川養護学校の生徒数は525人で、全国平均の160人を大きく上回っている。生徒数が多い全国の特別支援学校10校のうち、6校を愛知県内の学校が占めている。
またスロープやエレベーターが未整備の学校も多く、施設のバリアフリー化も今後の課題だ。
県は現在、一宮東養護学校(一宮市)と佐織養護学校(愛西市)の過密化を解消するため、稲沢市の元平和高校跡地に尾張地区新設養護学校を建設中。14年4月に開校する予定だ。
また、豊川養護学校(豊川市)の過密化に対応するため、豊橋市が市立養護学校の建設計画を進めており、15年4月に開校する予定となっている。
県が09年度に策定した「知的障害養護学校の今後の方策についてU」では、県有施設を活用した養護学校の新設などを盛り込んでいる。
半田養護学校(半田市)の過密化解消策として、県有施設を活用した養護学校の新設を検討する案を盛り込んだが、今のところ具体化していない。
このほか三好養護学校(みよし市)と春日台養護学校(春日井市)については、通学地域の市町に働き掛け、市立養護学校の設置などの解消策を検討するとした。
そのほかの学校については触れられておらず、早急な対応が求められている。
提供:建通新聞社