建通新聞社
2013/01/21
【大阪】大阪府市新大学構想会議 新大学構想を提言 大阪市内中心部新キャンパスも 16年度スタート目指す
大阪府市新大学構想会議(会長・矢田俊文北九州市立大学前学長)は18日、大阪府立・市立大学の統合による新大学構想を提言した。各キャンパスをカテゴリー別に特徴付け、地球未来理工学部などの新学部を設置。大阪市内中心部への新たなキャンパス配置についても検討すべきとしている。
府と市は、この提言を基に関係者の意見聴取や議会での議論を行い、4月をめどに「新大学ビジョン」(案)を策定する。提言によるスケジュールは、2013年度に法人統合に向けた手続き準備を行い、15年度に新大学としての学生を募集。国(文部科学省)の大学統合認可を得るとともに、都心キャンパスの検討を開始する。16年度に1法人1大学として、新大学をスタートさせる。17年度以降に既存キャンパスや新キャンパスの整備を行う。
新大学の基本コンセプトは、@研究で世界と戦えるA次代を拓く人材を養成するB地域活力の源泉となるC柔軟で持続的に改革する−大学。特に、建築、土木、海洋、航空、新エネルギー、防災などについては、両大学の工学の強みのある部門であるため、統合のシンボルとして打ち出す。
学士課程(学部・学域)の統合・再編に伴いキャンパスの在り方を見直し、キャンパスごとに特徴を出す。キャンパス配置の基本方針は、原則として、同じ学部・学域は、同一キャンパスに配置することとし、当面は現行キャンパスを活用。
阿倍野キャンパス(市大)は医療系、杉本キャンパス(市大)は基礎・学術系、中百舌鳥キャンパス(府大)は応用・学際系、羽曳野キャンパス(府大)は生活支援系、りんくうキャンパス(府大)は獣医系−とする。梅田、なんばの「サテライト」は当面、社会人教育の拠点に活用。都心キャンパスを設置する場合は、「社会人系」を打ち出す。
再編・統合により新たに設置する学部は、▽地球未来理工学部(仮称)▽人間科学域(仮称)▽獣医学部▽看護学部−などとしている。