日本工業経済新聞社(茨城)
2013/01/19
【茨城】関東地整 常陸那珂港区に外貿用バース新設へ 埋立申請
国土交通省関東地方整備局は、水深12mの外貿用バース(岸壁)の新設に向け、茨城港常陸那珂港区(ひたちなか市)の中央埠頭北側を埋め立てる。埋立面積は岸壁部分をメーンとした1万5246・04u。工期に3年4カ月を想定し、2016年度ごろに埠頭用地の完成を見込む。背後の埋立は県が行う計画。公有水面埋立法に基づき、用地造成に関する施行区域の縦覧が今月31日まで、県港湾課などで行われている。
この計画は新たな大型船に対応した岸壁を整備するため、公有水面の埋立により埠頭用地を確保するもの。
埋立区域は、ひたちなか市長砂字渚163−60、61、東海村照沼字渚768−36の公有水面。全体面積1万5324・1uのうち埋立区域が1万5246・04u。常陸那珂港区の中央埠頭北側で、東側に拡張し、埋め立てて用地を確保する。
また埋立地の土地利用計画によれば、バース延長は6万総t級のRORO船に対応した270mとし、エプロン幅は乗降ランプやシャーシの回頭スペースなどが必要なことから50mを想定。これによりエプロン敷面積は1万3500u(270m×50m)を見込む。
この埋め立てを行うに当たって必要となる工事の施行区域は、ひたちなか市長砂字渚から、東海村照沼字渚の広範囲におよぶ88万8358u。
埋め立ては、隣接して免許を取得している県の埋立工事と一体的に行う。
工事は、まず取付護岸A、取付護岸@、岸壁(水深12m)、先端係留台、側面護岸の順に着手し、それぞれ上部工まで概成させる。
先端係留台と並行して県によりC護岸が施工され、別途県が施工する護岸、既設護岸と併せて、埋立地を完全な閉水域とした後、県の埋立と並行して埋立地内に土砂を投入し、順次周囲に押土し、締め固め、計画地盤高まで仕上げる。最後に舗装工、付属工を行う。
埋立に用いる土砂は、陸上土砂、浚渫土砂といった砂質土。浚渫土砂は、前面の泊地(水深12m)からグラブ浚渫船で採取した後、バックホウを用いて揚土・投入し、陸上土砂はダンプトラックにより搬入して投入する。
関東地方整備局では、公有水面埋立法に基づき公有水面埋立の承認を茨城港湾管理者である県へ出願。県は、この内容を規定に基づき告示。県港湾課をはじめ、県茨城港湾事務所、ひたちなか市、東海村でそれぞれ31日まで縦覧を行っている。
この縦覧を終えた後、関係機関との照会を経て、審査した後、承認の決定が県港湾課からなされる。その後、国による造成工事が直轄事業として発注される予定。この直轄事業による埠頭用地の完成は2016年度ごろになる見通し。