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建通新聞社(中部)
2013/01/18

【愛知】中部経済産業局 地域連携BCP柱に産業防災を

 経済産業省中部経済産業局は、南海トラフ巨大地震などの大規模災害を想定し、地域・企業間で連携した業務継続計画(BCP)の策定と、災害に強い産業インフラの構築を中心とした産業防災対策をまとめる。中部経産局などの行政機関や有識者、東海地域の経済団体で構成する中部地域産業防災フォーラムで協議を進めており、4月ごろをめどに幹事会で対策を策定する予定。
 同フォーラムでは、地域間連携BCPを主軸にした産業防災ネットワーク事業などの検討に取り組んでいる。今後、2〜3月にかけて、フォーラム内の研究会で今後の対策をまとめ、4月の幹事会で策定する取り組み事項に盛り込む方針。
 防災ネットワーク事業は、東海・東南海・南海地震など、広範囲に被害がおよぶ災害を想定し、企業ではなく地域を単位とした防災・減災対策やBCP策定を支援する。同じ工業団地に立地する複数企業が発災時に協力する地域内連携や、被災地域の生産物を、協定を結んだ他地域で代替生産する地域間連携などが考えられる。
 中長期的な課題としては、産業インフラの耐震化・液状化対策、サプライチェーンを支える道路の未開通区間の解消などがある。特に、製油所や石油基地など、臨海部に位置するコンビナート施設を中心に、液状化や地震・津波対策が必要となっている。
 中部経産局は、産業防災のモデル的な取り組みとして、愛知県豊橋市の三河湾に面した明海地区で12年に地域連携BCPの実証実験を行った。地盤沈下と津波により浸水が発生したという想定の下、事業所間で互いに避難場所を融通するなどの避難訓練を行った。
 訓練結果を基に、避難・復旧時の課題を抽出し、地域連携BCPのモデル版を策定する予定。13年度以降、モデル版を活用して各地域で地域連携BCPの策定を支援していく。

提供:建通新聞社