静岡県は、富士山静岡空港の国内専用のターミナルビルの新築と既存旅客ターミナルビルの改修に関する基本計画を2013年度に策定する。現在の旅客ターミナルビルの県有化に向けた資産価値の評価や予算確保などにも取り組む方針。15日に開いた第4回先導的空港経営検討会議(委員長・山内弘隆一橋大学大学院教授)の中で「13年度に県が取り組むべき事項」として考え方を示した。
今回の検討会議では、これまでの議論を踏まえ「富士山静岡空港の新たな経営体制等に関する答申」の骨子素案について協議。この中で事務局の県側が、13年度に県が取り組むべき事項や、14年度以降の空港運営主体の在り方の考え方を提示した。
空港のポテンシャルを最大限に引き出すため、旅客ターミナルビルの増改築による機能向上について、空港の設置管理者である県が主体的に早急に取り組む必要があると明記。旅客ターミナルビルを県有化する一方、当分の間、指定管理者制度を活用しながら、滑走路など空港基本施設と旅客ターミナルビルの管理運営を一体的に民間会社に委託すべきだとした。
具体的には、国内専用の新ターミナルビルを建設し、出入国審査場や税関検査場などCIQエリアの拡充として現在のターミナルビルを増築する「旅客ターミナルビルの改修・増築」に関して、13年度に基本計画を取りまとめる。また、旅客ターミナルビルの県有化に先立ち、既存施設の資産価値の評価や予算措置に取り組むほか、空港基本施設の指定管理業務拡大に関する検討や国との調整、指定管理者の選定などを実施する考え。
14年度以降の空港運営主体の在り方については、フェーズ2(中期・インフラ拡充)とフェーズ3(長期・新たな空港経営)の2段階に分ける考えを示した。
フェーズ2での役割分担は、▽インフラの整備、大規模修繕、災害対応▽指定管理、料金設定など空港の管理運営に必要な制度の構築▽新規路線の誘致、増便・機材大型化など路線網の充実―を県が担う。一方、空港運営主体が、▽インフラの日常的な維持管理▽料金設定、料金徴収などの空港経営▽インフラと路線網を最大限活用した空港利用者の満足度向上―に取り組むとした。
同検討会議では、次回3月の会合で答申案をまとめ、4月上旬に川勝平太知事に答申する予定。
(2013/1/18)
建通新聞社 静岡支社