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日本工業経済新聞社(群馬)
2013/01/17

【群馬】3者で技術協議会−公共事業諸課題解決へ

 県が発注する公共事業の諸課題を解決するため、県県土整備部が設計者と施工者を含めた3者で構成する3者技術協議会を来年度に設置することが分かった。今月24日には、協議会の正式発足に先立った試行開催を行う。来年度から正式にスタートする協議会には県県土整備部の職員、設計者側からは群馬県測量設計業協会の会員、施工者側からは群馬県建設業協会の会員が参加する予定で、3者が共有する諸問題の改善に向けた検討が行われる見通し。所管する県建設企画課によると、協議会の開催期間については来年度から3カ年程度を見込んでいるそうで、協議事項に対する結果もその期間内で出す考え。年に複数回開き、3者それぞれが垣根を越え、さまざまな課題を検討する場とする。

 来年度から正式に設置される3者技術協議会は行政、設計者、施工者の3者が担当業務の範囲を超越して発生している諸問題を共有・改善することで実践的な技術力向上を図るもの。若手の技術力向上が叫ばれている中、業界との意見交換の中でも行政側、業界側ともなかなか目に見えた効果が十分でないことが浮き彫りとなり、新たな方策を検討した結果、3者技術協議会の設置が浮上した。
 同課によると、これまでにも目的に応じた計画策定などの個別案件で行政、設計者、施工者の3者が一堂に会する機会はあったものの、個別案件以外の意見交換で3者が顔を揃えることは初めてだという。
 試行開催となる今月24日の会合では、協議会の設置要綱や企業の職場環境のあり方も含めた協議事項の検討に関する意見交換を行うなど、来年度の正式設置に備える。
 試行開催は今回のみとなり、来年度の正式設置後の初開催については第1四半期中を見込んでいる。
 協議会の構成員には県県土整備部の職員、設計者側から群馬県測量設計業協会の会員、施工者側からは群馬県建設業協会の会員が名を連ねる予定で、行政側、業界側いずれも10数名ずつの若手技術者が参加する形が主となりそう。ただ、今後の協議次第では建築関係の課題解決に向けた検討も視野に入れている。
 年間で複数回の開催を予定しており、年度初めには行政、業界がそれぞれ抱える問題点と今後の方針を検討し、2回目の開催時にその検証を行う。その後、さらに職場へのフィードバックなどを含めた複数回の開催を見込む。それを3年間程度継続して開催し、3者が抱える課題の解決に向けた結果を出す方針。
 同課の倉嶋敬明課長は「3者がそれぞれの垣根を越えて正式の場に顔を揃えることは初めてであり、非常に画期的なこと。今後の事業進展に大きな役割を果たすと考えている。また、これによって若手技術者の業界入りが増える環境づくりにつながれば」と本紙の取材に回答した。