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北海道建設新聞社
2013/01/11

【北海道】札幌の路面電車ループ化が10月着工へ−駅前通に都心線 

 札幌市はLRT整備計画に基づく路面電車ループ化で札幌駅前通に新設する仮称・都心線について、国の工事施行認可が下り次第、2013年10月にも通信ケーブル敷設などの準備工に取り掛かる。13年度の関連事業費には6億円余りを見込んでいる。ループ化実現に先駆けて5月ごろには新型低床車両1両の運行を始め、市民に乗り心地を体験してもらうことでLRT導入へ弾みをつける考えだ。
 市は12年12月に、地域公共交通の活性化および再生に関する法律(活性化法)に基づき国に特許を申請。将来の上下分離制度導入を見据え、路線のループ化や新型低床車両の導入、既設線の制振軌道化、停留場のバリアフリー化を位置付ける内容となっている。
 今後は3月に特許取得後、4月に国へ工事施行認可を申請。9月に認可が下りれば10月にも支障物件移設やき電区分改良、通信ケーブル敷設などに着工する。
 本格的な軌道工事は14年度を予定し、同12月に竣工、15年春の開業を目指している。新型低床車両導入や既設線バリアフリー化などを含む全体事業費は19億円。
 新設区間は、中央区南4条西4丁目のすすきの停留場から南1条西4丁目の西4丁目停留場までの延長404mで、車道両側を走り、歩道から直接乗り降りできるサイドリザベーション方式を採用する。
 新設区間には仮称・狸小路停留場を新設。都心の街並みに合ったデザインを取り入れ、観光情報や路線沿線のイベント情報などを得られる仕組みを検討している。
 新型低床車両は既に1両を製造中で、開業までにはさらに2両を追加する。将来的には約30両ある車両全てを順次切り替えていく方針。
 既設軌道の内側にレールをもう1本敷設し、ゴムパットを敷いて振動を抑える制振軌道化は、一条線(西4丁目―西15丁目間)、山鼻西線(西15丁目―中央図書館前間)、山鼻線(中央図書館前―すすきの間)の一部で着手済み。13年度は一条線で330mを施工する。
 13年度はほかに、停留場に電車の現在位置や地域情報などを表示する情報利活用システムの構築を開始。
 段差かさ上げやスロープ設置などを計画する停留場バリアフリー化では、街路拡幅と連動して軌道架線柱の移設から着手する方針だ。