日本工業経済新聞社(群馬)
2013/01/10
【群馬】14、15年度で工事−片品小学校舎建て替え
片品村は、村内小学校4校を1校へ統合させることに伴って、片品小の校舎2棟を取り壊し同敷地内へ新たに普通教室と特別教室を有する校舎を建設する。現在、基本設計を作成しており、校舎配置案などを有識者で構成する会議に示して、方向性を決定していく。来年度には詳細設計へと移り、2014〜15年度の2カ年で建設工事に取り組むスケジュールとなる。片品小校舎を解体撤去することから、建設期間中の同小児童は片品北小へ通学することになるが教室数が不足するため、片品北小ではプレハブ教室を2〜3室程度増築する。
同村は昨年末に有識者会議設置に向けた条例を村議会に上程し制定。PTAや教員らで構成する予定で、今月中にも第1回目の会議を開催する。基本設計は小島設計(沼田市)が担当しており、複数の配置案の中には2棟構成や1棟に統合したもの、2階建て、平屋建てなどの案があるもよう。地元産木材の活用、防災面への配慮などとあわせて有識者会議で検討し、児童や地域にとって最適なものを選定する。遠距離通学児童のためのバスに対応し昇降を行うロータリーを設けることになりそうで、国道120号に面する西側に設置する案が提出されている。
同村では児童・生徒数の減少や教育施設の老朽化などを背景とし、2011年に「村立学校のあり方検討委員会」が設置され、議論や視察を重ねてきた。12年1月に千明金造村長へ対し、村内4小学校を片品小へ早急に統合することと片品中学校の早期建て替えなどを提言。それを受けて、本年度は教育委員会で基本計画案を作成し村議会などに諮っていた。
取り壊すことになる片品小既存校舎は、西校舎(普通教室棟)が1958年に整備されたRC造2階建て、延べ床面積2859u、東校舎(特別教室棟)が80年築RC造2階建て、延べ床面積922uという規模。西校舎は86年に大規模改修を実施。2000年に建設された屋内運動場は建て替えの対象外。
建設期間中、片品小の児童は片品北小を利用することになり、両校だけ統合が前倒しされる。統合後、片品北小では若干数教室の不足が見込まれることから教室棟にある特別教室を普通教室に切り替え対応し、足りなくなる特別教室は敷地内にプレハブ教室を増築していく。2〜3教室を増築することになるもようでこちらは来年度に工事する見通し。
村内には片品小(鎌田地内)、片品北小(土出地内)、片品南小(花咲地内)、武尊根小(摺淵地内)の4校がある。村内に現在233人いる児童は、16年には169人まで減少が予測されている。片品小以外の3小学校では本年度から18年度までにかけて就学前児童数が毎年度それぞれ1〜8人程度となっている。少人数によるきめ細やかな教育が行われている一方、競争や協調を促す集団的学習活動の必要性を求める声が保護者や地域から挙がってきており、統合を急ぐこととなった。
老朽化が指摘されている片品中学校についても、村議会全員協議会にて早期の大規模改造・耐震化を速やかに行う方針が示されている。同校は南校舎、北校舎、体育館の3施設で構成。老朽化により雨漏りやボイラーの不調などの問題が発生している。3施設は1974〜75年に建設。南校舎はRC造3階建て、北校舎はRC造2階建て、体育館はS造平屋建てとなっている。体育館のみ2009年度に耐震補強大規模改修を実施済み。