日本工業経済新聞社(茨城)
2013/01/10
【茨城】土浦市 来年度の内閣府認定目指す 中心市街地活性化基本計画策定へ
土浦市都市計画課は、土浦駅前への新庁舎整備決定など中心市街地活性化の核となる事業に見通しが付いたことに伴い、中断していた「市中心市街地活性化基本計画」の策定を再開。対象区域や具体的事業の見直しなどを進めながら、来年度内の内閣府認定を目指している。計画の対象区域は、当初予定していた土浦駅西口〜亀城公園付近までの約60haに、霞ヶ浦や川口運動公園などの駅東側を含めた115・9haに広げたい考え。具体的事業の再調査も行い、亀城モール(アーバンオアシスゾーン)整備事業や土浦駅北地区市有地有効活用事業、土浦駅東口周辺第1地区まちづくり事業などを新たに盛り込んだ。
市は中心市街地活性化基本計画を、2010年度から11年度までの2カ年で策定する予定だったが、活性化の中核を担う施設の状況が不透明だったため、策定期間を13年度まで延長するとともに事業を一時中断。
その後、@土浦協同病院の移転先決定A土浦駅北地区第一種市街地再開発事業の見直しB市役所庁舎の位置決定−を受けて、策定事業を再開した。基本計画は来年度にまとめ、同年度内に内閣府の認定を受けたい考え。
先月19日には、第4回の中心市街地活性化基本計画策定委員会(委員長=大澤義明筑波大学大学院教授)を開催し、計画の基本方針や区域、具体的事業などについて話し合った。
委員会に示された基本計画案によると、中心市街地の将来像に「県南地域の拠点都市として、多くの人々が集い交流し、人々が生き生きと安心して暮らせる良好な中心市街地の形成を図る」を据えた上で、活性化に向けた基本方針に@人がまちにすまう(都市福利、商業活性化、都市基盤、まちなか居住の方針)A人がまちをいきかう(交通、観光の方針)B人がまちをつくる(協働の方針)−の3点を示した。
中心市街地の位置および区域は、10年度の当初計画段階では、JR土浦駅から西側のエリア(有明町、大手町、川口1丁目、桜町1・3・4丁目、中央1・2丁目、大和町、東崎町)の約60・2haとしていたが、現状に応じて変更。土浦駅東側および霞ヶ浦口周辺、川口運動公園周辺(有明町、港町1丁目、川口2丁目)を加えた約115・9haを対象としたい考え。
土地利用ゾーニングでは、地区の特性に応じた歴史・風土を活かした風格あるまちづくりに向けて、区域内を3エリアにゾーニング。亀城公園や中城地区などの旧水戸街道沿いは「趣(おもむき)・おもてなしゾーン」とし、風格と趣きのある歴史的景観の形成を図る。
土浦駅周辺地区は「輝(かがやき)・にぎわいゾーン」とし、輝きと賑わいのある中心地への再生を目指す。主な事業としては、ウララ跡への市庁舎移転整備や駅北再開発のほか、モール505地区への新たな施設計画の検討、駅東口地区における未利用地の有効利用など。
霞ヶ浦および川口運動公園周辺は「快(ここちよい)・こうりゅうゾーン」とし、立地条件を活かして市民や来訪者が楽しめる親水・観光・レクリエーション拠点として整備を図る。
また基本計画策定再開に伴い、具体的事業も見直し。10年度に盛り込んだ事業を再調査し、終了している事業や計画期間・対象エリアから外れた事業などを計画から外すとともに、新規事業を追加した。これにより事業数は当初の66から51に減った。
新規に追加した主な事業は、亀城モール(アーバンオアシスゾーン)整備事業や土浦駅北地区市有地有効活用事業、土浦駅東口周辺第1地区まちづくり事業など。
亀城モール整備は、都計道中央立田線の川口一丁目交差点〜中央一丁目交差点北側において、交通環境整備の方針および広場空間の整備方向を検討し、アーバンオアシスゾーンを整備するもの。
駅北地区市有地の有効活用では、再開発区域に隣接する市有地について、図書館などとの連携のもと効果的効率的な土地利用を図る。
土浦駅東口周辺第1地区まちづくり事業は、駅東口の総合再生計画(約16ha)のパイロット事業として、第1地区(約1・3ha)の民間活力による早期活用を図るべく調査・検討を行う。
このほかエリアは未定だが、老朽化に伴う市民会館建て替え事業なども検討している。
市は本年3月に第5回の委員会を開催し、基本方針や区域などを決定していきたい考え。このほか本年度内には、基本計画の前段となる「まちなかグランドデザイン」を策定。これに盛り込まれた事業の中で、実現性の高いものを基本計画に反映していく。
来年度内には中心市街地活性化基本計画をまとめ、同年度内の内閣府認定を目指す。