日本工業経済新聞社(茨城)
2013/01/09
【茨城】鹿嶋市 復興交付金事業計画を変更
鹿嶋市は、東日本大震災復興交付金事業計画の第3回変更分を明らかにした。市道6001・6119号線整備事業や平井小学校外部階段設置事業など4事業を新たに追加し、津波発生時の対策を進めていく。今回の変更により実施事業は12事業、事業費は15億2325万2000円(交付金額11億9369万5000円)となった。
市道6001・6119号線整備事業は、下津海水浴場からの避難路である幅員4mの現道を、9・5mに拡幅して避難時間の短縮を図るもの。事業区間は330m。
現行幅員では高台である県道鹿島港線を越えるまでの避難距離が420mあり、避難完了までに33分以上が必要だが、拡幅によって安全帯までの避難が23分以内に抑えられる見通し。全体事業費は1億3000万円。新年度は測量・用地補償・工事を実施する計画。
平井小学校外部階段設置事業は、校舎自体を高所一時避難所として整備することにより、児童や職員、近隣住民などの安全確保を図るもの。全体事業費は2727万7000円。緊急時に屋上へのぼることのできる外部階段を校舎西側に設置するとともに、屋上の周囲に転落防止のフェンスを設置する。新年度に実施設計と工事を進める。
このほかの事業としては、津波避難計画シミュレーション事業や平井東部土地区画整理事業計画策定等事業を追加した。
津波避難計画シミュレーション事業では、震災の被害状況を踏まえ、市独自の避難計画シミュレーションを行い、県の津波浸水想定図などを参考に津波避難計画を策定する。検討地区は大野海岸地区・波野海岸地区・平井海岸地区を対象とするが、沿岸工業団地や高松地区との調整を図り、市全域の津波避難計画を策定する。全体事業費は1543万5000円。
平井東部土地区画整理事業計画策定等事業は、平井東部地区における都市防災推進事業(市街地液状化対策事業)の効果促進事業と位置づける。同地区は土地区画整理事業中であるため、補助実施計画の策定や街区・画地点、地区界点等の震災による変動調査を行う。全体事業費は2880万円。内訳は事業計画変更・補助実施計画書策定業務が520万円、街区・画地点、地区界点変動調査業務が2360万円。