静岡県が2012年度に創設した補助金を活用して、中小企業が太陽光発電設備を整備する総事業費が156億円に上ることが分かった。県エネルギー政策課は「取り組みの裾野の広がりと、導入意欲の強さを感じる」と受け止めている。補助金については13年度も継続するかは未定で、より効果的な手法がないかを探る方針でいる。
補助金は、「事業者用太陽光発電設備等導入支援事業費補助金」の名称で、太陽光、小型風力、中小水力の発電設備を整備する中小企業に対し、100万円を限度に経費の10分の1を補助するもの。ことし6月、予算7000万円でスタートしたが、申し込みが多かったため予算を追加、最終的には5億6000万円に膨らんだ。
申請受け付け件数は871件で、すべて太陽光発電。うち748件について補助金交付が決まっている(工事完了済みは約100件)。
地域別では、東から伊豆半島が20件、東部が96件、中部が127件、志太・榛原・中遠が301件、西部が204件。設置場所別では、事業所・店舗が238件、集合住宅が225件、工場・倉庫が206件がいずれも約3割を占めた。この他遊休地が79件で10・6%だった。
特定の業種への偏りはなく、個人商店、農業、旅館、スーパーマーケット、工場、居酒屋、幼稚園などさまざまだ。設備容量は、10`h〜50`h未満の比較的小規模なものが全体の約9割を占めている。
県エネルギー政策課によると、これら交付事業の総事業費は155億6000万円(1件当たりでは約75万円)で、予算5億6000万円に対する実質的な補助率は3・6%になっている。
補助金を13年度も継続するかは今のところ未定で、同課では「導入促進により効果的な手法がないか検討したい」と話している。
(2012/12/26)
建通新聞社 静岡支社