日本工業経済新聞社(群馬)
2012/12/21
【群馬】防災整備へ10.6億−甘楽町
甘楽町は、統合中学校の整備などに伴い、来年度から福島・白倉地区の448haを対象に、防災施設や通学路の安全対策などを総合的に実施する。「安全で安心して暮らすことのできるまちの実現」を果たすため道路照明やグリーンベルトなどの整備のほか、防災交流センターの建設も計画する。事業期間は来年度から2017年度までの5年間を予定し、総事業費は10億6200万円を見込む。事業初年度となる来年度は、おもに町道の歩道の安全対策や耐震性貯水槽の整備にとりかかる見通しだ。
統合中学校は16年4月の開校を予定しており、町は統合中学校を防災の拠点と位置付けている。目標に「安全で安心して暮らすことのできるまちの実現」を掲げ、中学校周辺には地域生活基盤施設として耐震性貯水槽2基や防災倉庫1棟、高次都市施設としてRC造平屋建て、延べ床面積800u規模の防災交流センターを1棟建設する。このうち耐震性貯水槽は来年度に整備を予定している。また、町独自の事業として4・0haの防災空間造成事業にも着手する。
防災交流センターでは、平時は地域の高齢者と子どもたちが地産地消による給食などを通じて交流できる場を創出し、つながりを強めることで地域全体で子どもを守っていく環境づくりを進めていく。建物全体を震度7に耐える構造で建設し、災害時には自給自立ができる設備を設け、防災拠点としての機能を持たせる。
通学路として機能する町道では歩道や照明整備を進める。来年度は小船三ツ俣線と下小塚15号線、下小塚18号線で実施する計画だ。小船三ツ俣線ではL1220mを対象に、歩道舗装や歩車道境界ブロック、小型擁壁を整備するほか、ソーラー照明30基、道路照明1基を設置する。下小塚15号線と18号線ではいずれもL270mの区間に街灯7基を設置する計画だ。
このほか◇西天神三ツ俣2号線(L730m、歩道舗装)◇天王下平線(L1790m、橋梁拡幅工事、街灯44基、道路照明2基)◇福島1号線(L550m、街灯14基)◇福島2号線(L860m、街灯22基、道路照明1基)◇福島3号線(L560m、街灯14基、道路照明1基)◇福島4号線(L1010m、街灯24基)◇前谷下小塚線(L530m、道路照明1基)◇白倉稲荷南小塚線(L490m、街灯13基)◇小川上野線(L410m、街灯20基)◇多井戸沖2号線(L440m、街灯20基)◇神明山防災広場整備(A0・4ha、耐震性貯水槽1基)−といった整備を計画している。
これらは、通学路の安全性確保を目的に、児童の保護者視点で整備するため、保護者からアンケートをとり、それをもとに町がまとめた。今後も保護者を交えてワークショップを実施し、保護者からの視点を採り入れながら整備方針などを詰めていく。