日本工業経済新聞社(群馬)
2012/12/20
【群馬】鹿生橋を先行着手−L17m、来年度から工事
国土交通省利根川水系砂防事務所は、長野原町大津地先において進めている遅沢川床固群整備事業で未着手となっている町道上の鹿生橋架け替えと床固工1基のうち、橋梁工事を先行させ来年度から工事着手、床固工についても同年度着工があり得る状況で、現段階では2014年度ころの事業完了を目指している。橋梁の詳細設計は本年度にパシフィックコンサルタンツ(東京都多摩市)が作成中。鋼桁かプレテンション桁になるかは検討している段階。床固5基を整備していく同事業は、現在のところ進捗率は7割程度に達しており、残る2〜3工事で完了となる見込み。
遅沢川は草津温泉方向へ登る国道292号沿いを流れる吾妻川左支川の一級河川。旧硫黄鉱山坑からの廃水などを原因とする酸性河川が集中し酸性(pH3・0以下)の強酸性河川となっている。河床に堆積しており、不安定土砂の2次移動防止対策として堆積部の下流に砂防事業が計画された。
2009年度に第2床固工から着工した同事業は、鹿生橋とそれに近い第4床固工、その区間の護岸工L150mを来年度から2カ年程度で完成させていく。事業全体では、床固工5基と護岸工L220mが計画され、事業区間内にある鹿生橋も架け替えが行われることになった。
橋梁は、橋長17・5m、幅員4m(車道W3m)という規模。同規模である現橋の下流に整備する。工事に向けた用地取得も進められているため、現橋の撤去時期など施工方法はまだ検討を重ねているところ。基本設計段階では、現橋と比べて線形は直線に近くなる。
同床固群の実施設計もパシフィックコンサルタンツが06年に担当した。同事業にあたってはコンクリート構造物に耐酸処理を実施しており、腐食から保護するために構造物表面に耐酸性樹脂などを被覆させる工法が取られている。
すでに床固工は第1〜3および第5が施工済みあるいは施工中。これからの工事は橋梁架け替えのほかは第4床固工と同川L220mの両岸を対象とした護岸工。第4床固工の規模は堤高6・6m、堤長38m。耐酸工法を用いる。